2023年7月、日本財団が実施した第72回「18歳意識調査」の結果が発表されました。この調査は、若者の価値観や社会との関わり方、結婚や子育てに対する考え方を探るために行われたもので、全国の18歳前後の男女4,700名を対象にしています。調査は東京、大阪、名古屋などの大都市圏から、地方圏に至るまで広範囲に行われ、その結果からさまざまな興味深い傾向が明らかになりました。
調査方法と対象
調査期間は2025年7月3日から7月10日までの間、インターネットを通じて実施されました。対象となったのは47都道府県の16歳から19歳の男女で、特に17歳から19歳を優先して調査が行われました。このデータは、今後の若者政策や社会構造を理解する上で非常に重要な意味を持っています。
ジェンダーと結婚・子育て観
調査の中で特に顕著な結果が出たのは、ジェンダーにおける結婚や育児というテーマです。「子どもが生まれたら主に女性が育育を担うことが望ましい」との考えについて、男性の約29.3%、女性の13.0%がそれに同意しています。また「結婚して子どもを育てる人生が望ましい」と認識しているのは、男性が65.7%、女性が49.1%と、ここでも男女での意識の差が浮き彫りになりました。こうした結果は、少子化社会における根本的な価値観の違いを示唆しており、政府の政策形成にも影響を及ぼす可能性があります。
地域社会に対する認識
また、地域社会との関わりにおいても、興味深い結果が得られました。「住むまちに誇れる伝統・文化・歴史がある」と考えている人は、男女ともに三大都市圏より地方の中心部や周辺部において高い数字を示しました。これにより、地域の文化や歴史に対する若者の認識は、都会と地方で大きな隔たりがあることが分かります。地域の誇りは、地方活性化の重要なキーワードとなるでしょう。
長期休暇の過ごし方
さらに、長期休暇で行きたい都道府県については「北海道」が圧倒的な人気を誇り、33都府県が選ぶ結果となりました。次いで「東京都」が14道県に選ばれています。長期休暇中にやりたいこととしては「勉強・自己研鑽」が26都道府県でトップを占め、続いて「アルバイト」が選ばれました。こうした結果から、若者が育む自己成長の意識や、経済活動に対する意欲が伺えます。
大阪・関西万博の意義
調査の結果、「開会中の大阪・関西万博にぜひ行きたい」との考えを持つ人は、22都府県で60%を超える結果となりました。このことは、万博が若者たちにとって興味深いイベントであり、地域と世界をつなぐ貴重な機会とされていることを示しています。
今後の展望
今回の調査は、18歳の若者がどのように未来を捉え、何を大切にしているのかを知る重要な機会となりました。若者の声を反映させた政策を推進することが、今後の社会のために求められています。特に、結婚や育児に対する意識がこれからの少子化問題にどのように影響するかは、日本社会が今後向き合うべき大きな課題です。さらなる調査が若い世代の価値観を理解する手助けにもなります。
詳しい調査結果や今後の日本財団の取り組みについては、公式ウェブサイトをご覧ください。