新刊『心を病む力』の登場
2025年8月27日、株式会社東洋経済新報社から新たに刊行された書籍『心を病む力: 生きづらさから始める人生の再構築』。この本は、現代社会に生きづらさを感じる多くの方々に向けた、心理学と神経科学を基盤にした処方箋を紹介しています。
著者は産業医であり、公認心理師の上谷実礼氏。彼女はこれまでに1万人以上のビジネスパーソンの心に寄り添い、また自身も多忙な医療現場で適応障害の経験を有しています。そんな彼女がこの本を通じて、心の健康を取り戻すための指針として「28の処方箋」を提案しています。
生きづらさとは何か?
現代社会では、「生きづらい」と感じるのは多くの人に共通する問題となっています。周囲から求められる「こうあるべき」という期待に応えようとするあまり、自分自身を犠牲にしてしまうことが多いです。その結果、心と体の不調が現れるケースが増えていると言われています。
この書籍では、「生きづらさ」が個人の問題というよりは、環境との不調和から生じるものであると説いています。特に、社会に過剰に適応しようとすると、「自己不一致感」という精神的な苦痛につながり、心や体に症状を引き起こすことを指摘しています。
生きづらさを軽減するための処方箋
本書には、実践的で具体的な方法として28の処方箋が掲載されています。これらは心理療法の場でも利用され、すぐに生活に取り入れることができる内容が魅力的です。たとえば、心と体のリラクセーション法や、自分自身と向き合う時間を持つこと、周囲の期待を手放すことなど、誰でも日常に組み込めるシンプルなアイデアが豊富です。
著者は、「心を病む力」という表現を用い、心の状態が自らの成長や再構築のための力となることを強調しています。「心を病む」ということは、ただネガティブな状態にいるというだけでなく、自分の本当の声を聞くチャンスを与えてくれるのです。
社会との関係を見直す
また、メカニズムの理解を深めるために、ポリヴェーガル理論などの最新の研究も取り扱われており、心理的な負担を軽減し、健全な関係を築くための知識を得ることができます。変化の激しい現代において、私たちはしばしば自己を見失いがちですが、適切な境界線を引くことで、「ありのままの自分」と人と繋がる力を再発見できるのです。
まとめ
『心を病む力』は、読者が生きづらさを解消し、個々の人生を再構築するための実践的なガイドとして非常に有用な一冊です。誰もが抱える心の悩みに寄り添う内容は、多くの人に新たな希望を与えることでしょう。今こそ、人生を変える第一歩を踏み出してみませんか?