箱根の温泉旅館「一の湯」が再認定
箱根に位置する有名な温泉旅館「一の湯」が、2025年の「神奈川がんばる企業エース」に認定されたことを発表しました。この認定は、地域に根ざした優れた取り組みを行う企業に対して贈られ、今回は、1630年に創業し395年の歴史を誇る老舗旅館が、その努力を称えられる形となりました。
認定の背景と取り組み
この認定を受けるにあたり、一の湯の取り組みが高く評価されたポイントはいくつかあります。以下にその主な内容を紹介します。
地域資源の活用
一の湯では、神奈川県の特産品である柑橘「湘南ゴールド」を最大限に活かす取り組みを行っています。客室には季節ごとの湘南ゴールドを取り入れ、訪れるお客様に地域の旬を感じてもらえるような工夫がされています。また、規格外果実を活用したリキュールの開発なども行い、地域農家との連携を図っています。
従業員の働きがいを重視
一の湯では、接客評価手当制度を導入し、お客様からの感謝の声を従業員の給与に反映させる仕組みを整えています。この制度により、多様な国籍・年齢の従業員が平等に評価され、労働環境の向上にも寄与しています。このような取り組みが、従業員の働きがいを高め、サービスの質向上にもつながっています。
業務改革の進展
さらに、一の湯では「盛付センター」を設けることで料理の盛り付け工程を効率化し、品質の統一を図っています。このような業務の標準化は、従業員の負担を軽減するだけでなく、旅館業界全体の人材不足に対処するための効果的な策ともなっています。
今後の展望と新たな取り組み
今回の認定は、一の湯がさらなる発展を目指す契機とされています。県内企業との連携を強め、平日稼働の安定化を図るための「福利厚生プラン」を導入予定。また、受賞を記念して湘南ゴールドを使用した宿泊プランを特別に販売し、地域の魅力をより多くの人々に伝えていく予定です。
社長のコメント
代表取締役社長の小川尊也氏は、「再度、エースとして評価を受けたことは非常に光栄であり、夫々の取り組みが実を結んだ結果だと考えています。今後も地域との関わりを大切にし、より多くの方々に喜んでいただける旅館づくりを目指します」と語っていました。
会社概要
「一の湯」は、箱根に9つの旅館を展開する温泉旅館グループです。2025年には新宿泊ブランド「ICHI-VILLA CROSSROAD HAKONE」の開業を予定しており、温泉旅館とは異なるスタイルの宿泊を提案します。旅館業界の常識を覆す革新を追求し、地域との共存共栄を模索しています。
まとめ
「一の湯」は、地域の特産品を活用し、従業員の意欲を向上させる取り組みを通じて、持続可能な運営を続けています。今回の認定はその努力の証であり、今後の更なる革新に期待が寄せられています。