石破総理が語る科学技術と未来社会の関係性とは

石破総理が語る未来社会と科学技術

令和6年10月7日、内閣総理大臣の石破茂が、新たに就任して最初のメッセージを公表しました。このメッセージは、10月1日に行われた第21回ＳＴＳフォーラム（科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム）において、世界中から集まった科学者やビジネスリーダー、政治家たちを前に語られました。今回のフォーラムは、科学と技術が進化していく未来に焦点を当て、より良い社会を築くための活発な議論の場となることが期待されています。

総理は、ここ数年の社会の注目を集める話題として、特に生成AI（人工知能）に言及しました。この技術は、自然な人間のやり取りを模倣し、多種多様なタスクをこなす能力を持つことで、医療や教育など様々な分野で革新をもたらす可能性があります。しかし、一方で生成AIの発展は、偽情報やプライバシーの問題といったリスクも抱えていることを忘れてはなりません。

昨年、我が国は「広島ＡＩプロセス」という枠組みを創設し、Ｇ7での合意を経て「安全、安心で、信頼できるAI」の実現を目指しています。石破総理は、引き続き日本がグローバルなルール作りや研究開発に貢献していくと強調しました。

また、生成AIの利用が拡大することで、データセンターの電力消費が急増している現状も指摘し、エネルギー需要と気候変動対策の両立が重要な課題であると訴えました。これに対し、我が国では先端半導体の生産、研究開発、人材育成を産官学が連携して進めていることを強調しました。さらには、フュージョンエネルギーや量子技術といった次世代の技術への国家戦略も明らかにしました。

現在、国際情勢の不安定化や新興技術がもたらす影響が顕著になってきた中で、科学技術への国際的な協力がますます重要になっています。未来を切り開く鍵は人材であり、日本国内外の優秀な学生や研究者が安心して連携できる環境を整えることが求められています。これにより、「国際頭脳循環」を促進し、共通の課題に立ち向かうことが期待されています。

さらに、来年には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪・関西万博が開催され、最先端技術が世界に向けて発信される予定です。この催しを通じて、科学技術がもたらす未来社会の姿を共に考え、実現に向けての議論が活発化することが期待されています。

石破総理は、科学技術が成し得る変化を恐れず挑戦することが科学技術の進歩を加速させると確信しており、本フォーラムや万博が新たな未来社会の実現に向けたきっかけとなることを願っています。今後の展開に目が離せません。