Craifの新たな可能性
Craif株式会社は、公益財団法人がん研究会有明病院と共同で行った乳がんに関する研究成果を、2024年12月に開催される第47回サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS 2024)で発表することを知らせました。この研究は、尿中マイクロRNAを用いて乳がんを早期に発見する可能性があることを示しています。Craifは「人々が天寿を全うする社会の実現」を目指し、がんの予防や早期発見に向けた新しい取り組みを今後も続けていく意向です。
研究成果の重要性
尿中マイクロRNAの検出
研究で特定されたのは、乳がんの検出に特化した28種類のマイクロRNAです。このマイクロRNAは、乳がん患者と健康な対照群でその発現量に明らかな違いが確認されました。特に、ステージIやIIの乳がん患者群では、これらのマイクロRNAの発現が顕著に変化し、診断マーキングとしての有用性が示されました。
治療効果のモニタリング
また、手術や化学療法の後に、特定のマイクロRNAの発現が有意に減少することも発見されました。これにより、尿中マイクロRNAを使用して治療効果をモニタリングすることができる可能性があるとされています。治療後にこれらのマイクロRNAが基準レベルに戻ることは、治療の成功を示唆します。
非侵襲的施策の実現
尿検査を用いることで、患者への負担を軽減しながら非侵襲的に乳がんの診断や治療効果のモニタリングへと繋げることが期待されています。特に、大規模なスクリーニングでの活用が見込まれます。
分子メカニズムの理解
また、上昇したマイクロRNAの解析から、乳がんの分子メカニズムにも新たな知見が得られました。これにより、将来的には新たな治療標的の同定が期待されています。
今後の臨床応用に向けて
この研究の成果は、尿中マイクロRNAを用いた乳がんの早期診断や治療監視、さらには再発リスクの評価に至るまで、幅広い臨床応用が期待されています。さらなる研究と大規模な検証を通じて、実際の臨床現場への実装が待たれます。
共同研究の実施概要
本研究は、原発性乳がん患者200名と健常者105名を対象に実施され、次世代シーケンサーを用いた尿中miRNAの解析により、乳がんに特異的なマイクロRNAの発見に成功しました。これは、がんの非侵襲的な診断手法の発展をもたらすものです。
SABCS 2024について
第47回サンアントニオ乳癌シンポジウムは、2024年12月10日から14日まで、米国テキサス州サンアントニオで開催されます。公式ウェブサイトでは、最新の情報が発信されています。詳細を確認して、最新の研究に触れる良い機会といえるでしょう。
Craif株式会社とは
Craifは名古屋大学発のベンチャー企業であり、2018年に創業された新興企業です。その専門技術である「NANO IP®︎」により、簡単に採取できる体液中のマイクロRNAの検出精度を高め、がんの早期発見や個別化医療の検査を開発しています。
会社概要
- - 社名: Craif株式会社
- - 代表者: 小野瀬 隆一
- - 設立: 2018年5月
- - 資本金: 1億円 (2024年3月1日現在)
- - 所在地: 東京都文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F
Craifは革新的ながん検出技術を提供し、未来の医療の形を作り上げることに貢献しています。