相続工程に革新をもたらす研究がオペレーションズ・リサーチ学会賞を受賞
2024年9月10日、愛知県名古屋市の南山大学にて、オペレーションズ・リサーチ学会による第44回「事例研究賞」が発表されました。この栄誉を受けたのは、筑波大学との共同研究から生まれた「混合整数最適化による相続工程の長期化リスク採点システム」です。この研究は、相続に伴う紛争を事前に予測し、回避するための新しいアプローチを提供しています。
受賞に至る研究の背景
本研究の中心となっているのは、相続紛争が発生する要因のひとつである遺産分割協議の長期化です。これまで、相続に関する研究は法学や行政論を中心に行われてきましたが、ルリアンと筑波大学は、「相続工学」の視点からこの問題に取り組みました。具体的には、遺産分割の過程を混合整数最適化モデルを用いて定量的に分析し、紛争リスクを算出するシステムが開発されました。
このプロジェクトは、相続データに基づき、学術的な新規性と実用性の両方を兼ね備えたもので、オペレーションズ・リサーチ学会の専門家たちから高く評価されました。研究は『オペレーションズ・リサーチ』第69号に掲載され、広く認知されることとなります。
表彰式でのコメント
受賞にあたり、ルリアンの代表取締役会長兼CEOである藤巻米隆氏は、研究に込められた意義を強調しました。「2021年から筑波大学との共同研究をスタートし、データに基づいた定量的な分析を行ってきました。相続手続きのメカニズムを工学的に捉え、新たな知見を学術的に検証していくことで、超高齢社会の課題に取り組みたいと考えています」と述べました。このコメントは、研究の先見性と社会的な意義を伝えるものです。
ルリアンの特異性と今後の展望
株式会社ルリアンは、相続のデジタル化を目指して2018年に設立され、これまで相続に関するさまざまな事業を展開してきました。相続工学の研究を通じて、業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、相続に関わる社会課題の解決に寄与しています。今後も研究成果の発信を通じ、相続分野の新しい常識を築いていくことでしょう。
総括
今回の受賞は、相続に関する研究分野において重要な革新であることを示しており、その成果が日本社会においてどれほどの影響を与えるか、今から非常に楽しみです。ルリアンと筑波大学のコラボレーションがもたらす新しい価値は、相続に苦しむ多くの人々に希望を与えることが期待されています。