やさしい医療のカタチ、横浜市との連携協定が実現
医療と市民との距離を縮める新たな取り組みが始まる。2025年10月23日、医療情報をわかりやすく提供することを目的とした「やさしい医療のカタチ」が、横浜市と「医療コミュニケーションに関する市民啓発に関する協定」を締結した。この協定により、市民が医療をより身近に感じ、自信を持って医療者とコミュニケーションを取れる社会を目指す。
いかに医療が身近に感じられるか
「やさしい医療のカタチ」は、2018年に医師らの有志によって命名された団体で、それ以来、医療情報の正確な理解を促し、患者と医療者のコミュニケーションを向上させるための活動を続けてきた。医療情報は非常に専門的で、一般には理解されにくい部分も多い。そのため、医療コミュニケーションの理解を深めるための啓発活動は、今後ますます重要となる。
協定の締結は、これまでの横浜市との積み重ねに基づいており、医療マンガ大賞や市民医療安全講演会などの実績が反映されている。特に横浜市の医療安全相談窓口では、寄せられる相談の約4割が医療従事者とのコミュニケーションに関するもので、市民が安心して話せる医療環境の必要性が顕在化している。
具体的な取り組み内容
本協定では、以下のような具体的な取り組みが行われる予定です:
1.
医療コミュニケーションイベント
- 日時:2026年1月12日
- 場所:横浜市庁舎1階アトリウム
- 内容:医療現場でのコミュニケーションに関するトークセッション。
2.
ブックフェア「医療をやさしく考える本棚」
期間:2025年10月28日~2026年1月12日
医療に関連する書籍を紹介することで、読書を通じた医療理解の促進。
3.
子育て支援アプリ「パマトコ」での情報発信
日常生活に役立つ医療情報を、子育て世代向けに提供する機能。
4.
デジタルサイネージとパンフレット配布
医療に関する基礎知識を広める啓発活動。
これらの取り組みは、医療をより身近に感じてもらい、理解を促進することを目指しています。また、イベントの詳細や参加方法は11月下旬に公式サイトで発表される予定。
やさしい医療のカタチの使命
「やさしい医療のカタチ」は、医療情報を楽しくわかりやすく提供することに力を入れてきた。この活動を通じて、市民と医療者間の対話の場を設け、それぞれが理解し、安心してコミュニケーションできる環境づくりを進めている。
代表理事の大塚篤司氏は、「医療をもっと身近に、もっと話しやすいものにするため、様々なパートナーと連携しながら活動を拡大していく」とコメントしている。医療を取り巻く環境が整うことで、市民が病院やクリニックに対してよりオープンに、積極的に足を運ぶことが期待されている。
来るべき未来に向けて
「やさしい医療のカタチ」の新たな挑戦が、医療を身近なものとして捉え直し、多くの市民にとって安心できる医療環境を提供していくことを目指している。この取り組みが広がることで、日本の医療が市民にとってより身近なものになっていくことを期待したい。