楽天とAmpere社の連携強化
楽天グループ株式会社は、持続可能で効率的なAIコンピューティングを実現するため、米国の半導体設計企業Ampere Computing LLCとの連携を強化すると発表しました。この取り組みの目的は、データセンターでの消費電力を削減することです。2023年から、楽天は自社データセンターにおいてAmpereの提供するCPUを利用し、実証実験を行っています。この成果により、楽天のクラウド基盤「Rakuten Cloud」での社内向けコンテナサービスにおいて、ラック単位での電力消費を36%削減し、加えてスペース利用効率も11%向上させることに成功しました。
楽天は2019年に国際イニシアチブ「RE100」に加盟し、2024年までにグループ全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル達成を目指しています。データセンターが占める電力消費の割合を考えると、常に進化するAI技術の導入に伴い、省エネルギーの必要性が高まっています。今後、両社の連携により、より幅広い電力効率向上が期待されています。
Ampere社の役割と未来
Ampereは新しい世代の半導体設計企業であり、高性能で電力効率の高いCPU設計方法を用いて、持続可能なクラウドコンピューティングの未来をリードしています。特にAI推論において、高いコストパフォーマンスを発揮し、クラウド環境での利用価値を高めています。
楽天の執行役員、クラウドプラットフォーム統括部のヴァイスディレクターである吉田 弘典氏は、「AIの導入に伴い、計算リソースの需要が増加する中で、持続可能な環境を推進していきたい」と述べています。実証実験は非常に良い結果をもたらしており、今後の連携が期待されています。
一方、AmpereのChief Evangelistであるショーン・バーリー氏も、楽天のクラウド環境における処理能力の拡大に向けた取り組みを高く評価しています。「今後のAIの進展に合わせ、消費電力を削減しつつパフォーマンスを向上させるソリューションを共に模索したい」との意向を示しています。
結論
楽天はクリーン技術の発展を促し、IT技術を通じて社会の持続可能な発展に貢献していくことを目指しています。この度のAmpereとの連携は、AIコンピューティングの将来を見据えた重要なステップであり、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。これからも新たなイノベーションを通じて、人々や社会に貢献していく姿勢が期待されます。