日本製のアウトドアブランドとして新たなチャレンジを開始した株式会社ワゴンの取り組み

株式会社ワゴン、未来を見据えた新たな一歩

1993年に宮崎で創業した株式会社ワゴンは、地元のアパレル業界を支え続けてきました。もともとはインポートアパレルのセレクトショップとしてスタートしましたが、インターネットの普及とともにEC販売が市場で増えていく中で新たなブランドの立ち上げを決意しました。2014年には、ショートパンツ専門の自社ブランド「Short pants every day」（SPED）を立ち上げ、大きな成功を収めました。特に、宮崎のサーフィン文化に触発されたデザインが好評を得ており、現在も多くのファンに支持されています。

変革の時期を迎えた縫製業界

しかし、時代は変わり、日本の縫製工場は厳しい現実に直面しています。高齢化の進行や廃業による担い手不足が顕著になり、企業は生産の確保が難しい状況にあります。特に円安の影響で、国内での生産が再度注目されていますが、それでも多くの企業が生産ラインを確保できない苦境にあります。ワゴンも例外ではなく、県内の縫製工場に頼っていたこともあって生産が非常に困難になっていました。

そこで、2023年6月、自社での縫製工場を宮崎市青島に開設しました。この新たな工場設立により、将来的な生産の安定化と迅速なサンプル作成や新商品の開発が可能になり、より品質の高い製品を提供できる環境が整いました。また、従業員にとっても海まで3分という好立地にあるため、ワークライフバランスを大切にした働き方が実現されています。

新ブランド「WAGON」の展開

ワゴンは2024年春に、新たなアウトドアカジュアルブランド「WAGON」を立ち上げる予定です。このブランドは、「海」をテーマにしたSPEDとは異なり、「山」を意識したラインナップを展開します。「WAGON」は、ファッション性だけでなく機能性や耐久性にもこだわり、リペア（修理）への対応も取り入れ、長く愛用できる製品を目指しています。「10年着続けられる」というコンセプトのもと、日本製にこだわり続ける姿勢も大切にしていく方針です。