KudanとHPCシステムズが共同開発した『NaviStart』のご紹介
2024年10月1日、Kudan株式会社とHPCシステムズ株式会社が共同開発した自己位置測位スターターキット『NaviStart』が販売を開始します。この革新的な製品は、SLAM(同時自己位置測位と地図作成)技術とローカル5Gを活用し、産業デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのソリューションです。
NaviStartの概要
『NaviStart』は、製造業、物流業、建設業、農業など、多様な分野における自己位置測位やローカル5G伝送を活用した追跡管理や生産性、人材の安全性の向上を目指しています。スターターキットは、基本構成498万円(税別)からとなっており、構成内容に応じて価格は変動します。
市場で求められる今回の製品の特徴は、労働力不足や業務の効率化、安全性の強化といった社会的なニーズに応える点です。『NaviStart』の導入により、生産現場での効率性の向上、自律移動システムの実現、資産や部品の追跡機能の強化といったメリットが期待されています。
高精度な位置測位と仕組み
『NaviStart』には、商用グレードのリアルタイム自己位置測位技術が搭載されています。この技術は、Kudan独自のSLAM技術に基づいており、特別なインフラを必要としません。LiDARやカメラを用いるだけで数センチメートル単位での高精度な測位が可能です。これにより、動的な環境や障害物が多い場所でも安定した測位精度が維持されます。
さらに、ローカル5Gの仕様を活かし、高速大容量・低遅延の特性を活用しながら、複数のデバイスを同時に運用できる仕組みも導入されています。データの連携や活用がじゅうぶんこれまで以上に簡易に行えるようになっており、大規模な施設でも安心して運用できるのが大きな魅力です。
トータルサポートを提供
『NaviStart』に含まれる内容は、KudanのSLAM技術による位置測定ソフトウェア、HPCシステムズのデータ取得用コンピュータ、管理用のタブレット端末、LiDARセンサー、カメラがオールインワンで提供されます。また、使い方を学ぶための講習も含まれており、導入から運用までのトータルにわたるサポート体制が敷かれています。これにより、企業はスムーズに新しいシステムに移行しやすくなります。
実用例と今後の展望
『NaviStart』の導入には幅広い適用例があります。たとえば、スマートファクトリーでの自律移動型ロボットの最適化、大規模物流センターでの在庫管理、自律走行式測量ロボットによるスマート建設、精密農業における自動運転トラクターの協調制御など、業種を超えて活用が期待されています。
HPCシステムズの代表取締役、小野鉄平氏は、「『NaviStart』によって、位置測位関連のソリューションの導入ハードルが大きく下がることを期待しています。日本の産業競争力向上に貢献したい」と述べ、Kudanの代表取締役CEO、項大雨氏も、「この技術が多くの業界に革新をもたらすと確信しています」と力強くコメントしています。
今後、両社は『NaviStart』を起点にSLAMやローカル5Gをさらに活用し、デジタルツイン分野における更なる協業へと進んでいくことでしょう。『NaviStart』は、デジタル時代における新たな産業のステージを開く第一歩となるでしょう。
企業情報
両社の背景として、HPCシステムズはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野のニッチトップ企業として知られており、Kudanは人工知覚(AP)技術に特化した企業です。両社の協業によって、今後の産業における新たな可能性が広がることが期待されます。