中学生が学ぶ「ヘルスリテラシー」の重要性と実践
2023年12月10日、兵庫県宝塚市にある雲雀丘学園中学校で、中学1年生と2年生を対象とした特別授業『私の健康のために、私ができること』が開催されました。この授業は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニーと教育サービスのBatonLinkとの連携により実施され、約340人の生徒が参加しました。この取り組みは、人生100年時代を生きる彼らにとって必要不可欠な健康への意識を育てることを目的としています。
ヘルスリテラシーの欠如がもたらす影響
日本国内において、ヘルスリテラシーに関する自己評価は他国と比べて低く、特に中学校ではこのテーマについて学ぶ機会がほとんどありません。そこで、ジョンソン・エンド・ジョンソン メドテックは『My Health, Myself—私の健康のために、私ができること』というプロジェクトを通じて、ヘルスリテラシーの向上を図ることに注力しています。ここで強調されるのは、医療と健康についての正しい知識を身につけることが、自己の健康管理においてどれほど重要かという点です。
特別授業の構成
特別授業では、渡辺奈々美講師がヘルスリテラシーの概念を説明しました。ヘルスリテラシーとは、健康情報を持ち、理解し、活用する能力を指し、その重要性や低いままのリスクについても触れました。渡辺講師は、インプット、アクション、コミュニケーションという3つのポイントが重要であると説明しました。生徒たちはこの内容を考えながら、その後のロールプレイングへと進みました。
ロールプレイングでの実践
授業の後半では、医師との診察を再現するロールプレイングが行われました。生徒たちは患者役を務め、実際の医療現場でのコミュニケーションがどのように行われるのかを体験しました。例えば、盲腸の患者役は「ライブを控えているために手術の提案を拒む」という状況を演じ、医師との信頼関係の重要性を学びました。岡原伸太郎医師からは、症状を正確に伝えることがいかに重要かというアドバイスがあり、生徒たちは医療の現場での実際のやり取りを通じて学びを深めました。
健康意識の醸成
生徒たちは、今回の授業を通じて自身の健康に対する意識が高まりました。授業の最後にはQ&Aセッションが設けられ、医師に多様な質問を投げかけました。例えば、「うつ病は見える化できるのか?」という問いに対し、医師は正しい知識とコミュニケーションのスキルが必要であると答えました。生徒たちは、医療者に自分の思いをしっかり伝えることの大切さを再認識しました。
今後の取り組み
この授業は今後も続けられ、多くの学生にヘルスリテラシーの重要性を伝えることを目指しています。生徒たちの感想には「医師に相談することの重要性が理解できた」や、「ヘルスリテラシーを多くの人に伝えたい」といった声が寄せられ、彼らの意識改革の成果が感じられました。
授業を通じて得られた知識は、今後の人生において役立つことでしょう。健康情報を正しく理解し、実践していくことで、より良い未来を迎えることができるのです。