売上予測作成の難しさと中小企業の現状
事業計画書を作成する際の最大の難点として浮かび上がったのは、「売上予測の根拠作成」です。この調査を実施したのは、株式会社融資代行プロで、対象となったのは事業計画書を経験した319名の経営者と役員たちです。この中で、38.6%が「売上予測の根拠作成」に最も苦労していると回答し、金融機関からも厳しく確認される項目として位置づけられています。
これまでの調査からも、融資環境の厳しさが顕著であり、ゼロゼロ融資の返済開始や利上げが影響を及ぼしている中で、企業が求めるのは信頼性の高い売上見込です。事業計画書では、単に数字を並べるのではなく、その背後にある根拠が求められます。
売上予測に関する具体的な課題
この調査では、事業計画書作成時の困難点が「売上予測」、「時間がかかること」、「説得力のある内容作成」に集約されています。特に、自分自身で計画書を作成している経営者が54.5%という結果は、時間の制約や専門的な知識の不足を薄々感じさせます。
また、自己作成の経営者の多くが、「説得力のある内容を作成するのが難しい」「専門知識が不足している」という回答を寄せており、援助なしで計画書作成に取り組むことの危険性が浮かび上がっています。
対金融機関での指摘項目も厳しさを増す
金融機関が最も注目するのも「売上予測・成長率」であり、ここでの問題は大きく影響します。132名(約41.4%)がこの項目について確認を受けたと回答しており、利益や資金繰りに関する質問も多く見られました。
このことから、事業計画書においては、数字の正確さだけでなく、その数値に裏付けられた根拠の説明能力が求められることが明らかです。数字の信頼性を担保するためには、マーケティングや競合分析以上に、財務的な根拠が重要視されています。
専門家の利用は約5人に1人
事業計画書作成において、専門家やコンサルタントに依頼した経営者は19.4%に過ぎないことが驚きを呼びます。多くの経営者が自己流での作成を選択していますが、その結果、本業との両立を図りながら十分な質を確保するのは難しい現実が浮かび上がっています。
情報の収集手段としてはインターネットが主流ですが、それだけでフィールドに即した質の高い計画書が作成できるかというと、課題が残る結果となります。
経営者からの実体験とアドバイス
自由回答の中で目立った声は、現実的な数値に落とし込む難しさや第三者の視点を取り入れる重要性です。「銀行に融資を申請したが、実績がないのに根拠が薄いと指摘された」など、実際の経験からも数値の根拠の重要性が強調されています。
また、「業務の合間に事業計画書に時間をかけることが難しい」という意見もあり、本業に過度な負担をかけている現状が見受けられます。これから事業計画書作成を視野に入れている企業に向けて、やはり「第三者に見てもらい不足する点を指摘してもらうこと」が提案されています。
特に、「最初から専門家を頼った方がスムーズにいく」という声も多く寄せられており、専門の視点を取り入れることが計画書を形作る上での確かな第一歩となります。
代表者の言葉
株式会社融資代行プロの岡島光太郎代表取締役は、「経営者が苦手とする項目が金融機関の重視ポイントと一致することが分かった。計画書では高い目標の提示ではなく、その数字の根拠を明確にすることがカギとなる」と述べています。これからの融資支援においても、経営者が数字の裏付けに苦しむ姿が少しでも減少するよう、調査結果が役立つことを期待しています。
まとめ
今回の調査結果を踏まえ、事業計画書を作成する際には、時間の使い方や数値の根拠の整理に十分な配慮が必要です。そして、可能であれば専門的な助言を仰ぎながら、確実な計画書を整えていくことが今後の成功に繋がるでしょう。