長野県信用組合がOracle Cloudを採用し勘定系システムを刷新

長野県信用組合が選んだOracle Cloud Infrastructure

2025年7月3日、長野県信用組合（本店：長野市、理事長：黒岩清）は、次期勘定系システムのフルオープン化およびクラウド化を実現するために、日本オラクルの「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」を採用することを発表しました。この取り組みは、金融業界のデジタル改革の波に乗り、業務の効率化やフレキシブルな対応を実現するものです。

クラウド基盤でのシステム刷新

長野県信用組合は、これまでメインフレーム上で運用してきた非効率的な勘定系システムを、最新のオープン技術を用いた新しいシステムへと刷新します。このプロジェクトは、デジタル改革に精通したアクセンチュア株式会社の支援を受け、2027年の本稼働を目指して進められています。

長野県信用組合は、データ・マネジメント・システムの信頼性と応答性を担保するため、「Oracle Base Database Service」を利用する予定です。これにより、金融機関としての信頼性が高まるでしょう。

レガシーシステムへの対応

金融業界全体での「2025年の崖」と呼ばれる課題、つまり老朽化したレガシーシステムに起因する柔軟性や保守性の低下に対処するため、アクセンチュアが提供するリライトツール「MAJALIS (マジャリス)」を用いて、従来のアプリケーション言語「COBOL」から「Java」へと変換します。OSやミドルウェアもオープン系技術に移行し、より効率的で現代的なシステムへと脱皮します。

高い性能と可用性

新たに採用されるOCIは、ミッションクリティカルなワークロードに対して高い性能を提供する実績があります。「Oracle Real Application Clusters」に象徴されるその高い可用性とパフォーマンスは、安定した業務運営を支える要素の一つです。また、コスト面でも高く評価され、予算管理にも寄与することでしょう。

本プロジェクトでは、パフォーマンスの向上や業務効率の改善、さらに関連する規制要件への適合が図られます。

メインフレームからクラウドへの移行支援

日本の金融機関では、メインフレームのモダナイゼーションが急務となっており、OCIはそのための強力なプラットフォームとして機能しています。クラウド移行のための柔軟性や自動化機能、インフラの簡素化、スケーリング、さらには自動セキュリティパッチ適用といった多様な利点を提供します。メインフレームアプリケーションの再構築や再ファクタリングに必要なツールも整備されており、迅速な導入が可能です。

地域に根ざした金融機関

長野県信用組合は1954年に設立されて以来、地域密着型の金融機関として、長野県内で52店舗を運営しています。預金や融資、為替業務を通じて地域の中小企業や個人のお客さまの経済活動を支えており、地域活性化に向けた取り組みも積極的に行っています。2025年3月末時点で預金残高は9,994億円、貸出金残高は3,454億円という信頼の証です。