国内EC事業の海外展開を望む企業の実情とは？成長率の鈍化と障壁が浮き彫りに

国内EC担当者の海外展開に関する意識調査

Shopeeの日本法人、ショッピージャパン株式会社は、国内のECサイト運営に携わる110名の担当者を対象に、海外展開に関する意識調査を実施しました。その結果、約9割の担当者が「国内市場での売上成長に限界を感じる」と回答し、特に「国際配送」や「言語対応」の課題が越境EC実現への障壁となっていることが浮き彫りになりました。

売上成長の鈍化を実感

調査からは、約41.8%の担当者が自身のEC事業の売上成長率が「低下している」と回答しており、特に「大幅に低下している」とする回答も目立っています。具体的には、12.7%の担当者が「大幅に低下している」とし、29.1%が「やや低下している」と答えています。このように多くの企業が成長の鈍化を感じており、顧客獲得コストの上昇や競合他社との激しい価格競争が影響していると考えられます。

商品カテゴリーの現状

国内EC事業で販売されている商品カテゴリーについて尋ねたところ、「菓子・食品」が32.7%、「健康食品・サプリメント」が31.8%と続き、競争の厳しい市場が見え隠れします。特に、菓子や健康関連商品は高い人気を誇る一方で、これまでの成功モデルが新たな競争に直面していることを示唆しています。

越境ECへの強い関心

一方で、調査結果からは81.8%の回答者が海外市場への展開希望を持つことも明らかになりました。「非常にそう思う」という回答が40.9%を占めており、国内市場の限界を感じながらも、国際的な成長機会を求めている姿が浮かび上がります。
しかし、実際に越境ECに踏み出せない理由としては「国際配送が複雑」と48.9%が答え、さらに「初期投資の高さ」が37.8%、「現地の言語でのカスタマー対応が難しい」とする回答もあがっています。
特に言語や物流の要因が大きなハードルとなっていることが示唆されており、これらの障壁を解消するための支援ベースが求められています。

売上成長施策の現在

一方で、売上成長を目指している企業の半数以上が実施している施策として「商品ラインナップの拡充」を挙げており、これによって新しい顧客獲得を目指しています。ただし、多くは依然競争が激しい現状を打破できていないことも課題です。

まとめ

今回の調査では、国内EC担当者の中に売上の鈍化を実感している層が多い一方で、海外展開への意欲が高いことが浮かび上がりました。しかし、言語対応や国際配送といった具体的な課題を抱え、なかなか一歩を踏み出せない現状が見受けられます。今後、越境ECが新たな成長機会を提供するためには、これらの障壁を取り除く施策が求められています。特に、Shopeeをはじめとする事業者側のサポート体制の構築が、企業が越境EC市場へ進出する際の鍵となるでしょう。