電通が実現した育休取得率の向上とその背景とは

電通が実現した育休取得率の向上とその背景

株式会社電通の男性従業員における育児休業取得率が、2024年度に103.1%に達し、前年よりも8.8ポイントの増加を記録しました。さらに、育児休業の平均取得日数も67.1日に向上しました。これらの成果には、同社が行ってきたさまざまな取り組みが裏にあります。

育休取得率向上の背景

電通では、「HRMディレクター制度」を強化し、全社約70の組織に配置されています。このディレクターは、労務管理や人材育成支援を担い、子育て世代に寄り添った密なサポートを行っています。特に、従業員が育休取得に関する理解を深めるための「個別の声かけ」が効果的に機能しました。これにより、育児休業取得のための社内環境が整い、従業員が安心して育休を取得できるようになりました。

長期的な育休を取得した従業員が復職する際には、復職支援が強化されています。電通では、育休終了後のスムーズな職場復帰を支援するため、少人数の復職説明会を頻繁に実施。この会では、休業中の社内の取り組みや制度の変更点が共有され、復職者同士の交流も促進されています。このような「横のつながり」を作ることで、育休から復帰する際の不安を軽減しています。

また、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン（DEI）施策を強化し、全従業員に向けた研修やネットワーク構築の機会を提供。育児休業に対する理解を深めることで、従業員が育休を取得することへの抵抗感を少なくしています。

未来を見据えた環境づくり

政府は2025年までに民間の男性の育児休業取得率を50%とする目標を掲げています。この背景を受けて、電通は一層の育児休業取得を促進するため、「心身ともに健康に働ける環境の整備」と「多様な価値観、働き方を尊重する環境づくり」に注力しています。これらの施策は、持続的な成長にも寄与するとともに、従業員の自己成長を支援することを目的としています。

具体的には、今後も「働きやすさ」に重点を置いた取り組みを進めていく考えです。従業員の意見を反映した環境を整えることで、仕事とプライベートの両立を図り、多様な人材が柔軟なキャリア設計を行えるよう努めていきます。