新しい視覚体験を提供する「SOUNDFUL RECIPE」
2023年2月19日、味の素株式会社が「音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE」を公開しました。この新しいレシピサイトは、視覚障がい者も含めたすべての人が料理を楽しむことを目的に設計されています。料理といえば、通常は画像や映像で表現されますが、視覚的な情報に依存すると、目が見えない人には理解が難しいことが多いのが実情です。そこで、味の素は視覚障がい者との対話を通じて、彼らが料理をより楽しむための手助けをしようと考えました。
プロジェクトの背景
味の素は既に12,000件を超えるレシピをWeb上で提供していますが、その多くが視覚的な情報に依存しています。このため、全盲者の中には、日常生活の中でガスコンロを使用し料理を行っている方もいる一方で、従来のレシピでは参加しづらい場面が多く存在していました。このような課題を解決するため、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの協力のもと、視覚障がい者がどのように料理をしているのかをリサーチし、音を活用した新しいレシピサイトの基盤を築いていきました。
「SOUNDFUL RECIPE」の主要な特長
この新しいレシピサイトには、大きく分けて3つの特長があります。
ポイント1: 音声読み上げに最適化されたUI/UX
視覚障がい者は、スマートフォンやPCの音声読み上げ機能を駆使してWebサイトを利用していますが、多くのサイトが視覚を前提に設計されているため、肝心な情報にアクセスするのが難しいことがあります。これに対し、「SOUNDFUL RECIPE」は、必要な情報にすぐにアクセスできるよう工夫されています。音声読み上げの妨げとなる部分を排除し、直感的に操作できる設計がなされています。
ポイント2: 視覚に依存しない表現の使用
通常のレシピには、「きつね色になったら」「焦げ目がついたら」など、視覚に依存した表現が含まれていますが、「SOUNDFUL RECIPE」では、こういった表現を視覚に頼らずとも理解できる形に変換しています。これにより、全ての利用者が理解しやすい内容になっています。
ポイント3: 料理の楽しみを伝える音声コラム
このレシピの中には、全盲の料理愛好家であるみきさんによる特別な音声コラムも含まれています。みきさんは、音を通じて料理の楽しさや独自の技術を共有し、視覚に頼らない料理のコツを伝えています。彼女の経験や視点は、晴眼者にとっても新鮮な発見となるでしょう。
未来展望とプロジェクトの成長
「音でみるレシピ」は、今後も多くの視覚障がい者の意見や気づきを取り入れて改良が進められます。この画期的な取り組みにより、料理を通じた新たな楽しみ方が広がり、より多くの人々に喜ばれる機会が増えることが期待されています。
最後に
味の素が立ち上げた「音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE」は、視覚に頼ることなく料理を作る喜びを再発見させてくれる素晴らしいプラットフォームです。ぜひ、サイトを訪れてみてください。音によって料理の楽しさが教えられる新しい世界が広がっています。