日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ(NCPC)の設立
2025年12月9日、日本におけるサイバーセキュリティの発展を目的とした「日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ」(略称:NCPC)が新たに設立されました。このコミュニティは、日本国内で活動するセキュリティ製品やサービスを提供する企業が連携し、セキュリティの強化と経済安全保障を充実させるための枠組みを提供します。
設立に至る背景
昨今、サイバー攻撃が深刻化し、国内の様々な組織が被害を受けている現状があります。また、経済安全保障推進法が成立し、能動的なサイバー防御に関する法制度も変化しています。サイバーセキュリティは国家の安全保障、さらには経済活動においても、その重要性がますます高まっています。このような時代背景の中、日本はデジタル貿易赤字が拡大し、国外製品への依存が課題とされています。このため、国内のセキュリティ産業を自立させ、成長を促進することが急務とされています。
NCPCは、これらの課題に対応するため、経済産業省が2025年3月に示した「サイバーセキュリティ産業振興戦略」に基づいて活動を行います。これにより、経済安全保障の強化やデジタル貿易赤字の是正に貢献し、日本のセキュリティ産業の競争力を向上させることを目指します。
コミュニティのビジョン
NCPCの基本的な目的は、日本のセキュリティが地域と世界の安全を支え、産業の進化とデジタル立国の再興を牽引することです。「日本の守る力を興す力へ。そして、その力が世界を導く力へ」というキャッチコピーのもと、様々な活動を展開していく予定です。
主な活動内容
NCPCは以下のような主要な活動を行っていく予定です:
- - 日本のセキュリティおよびサービスのマッピングとスコアリング
- - セキュア設定ガイドの共有
- - 国内外へのセキュリティ製品やサービスの展開支援
- - 官民合同の勉強会や情報交換会の開催
- - サイバーセキュリティに関する政策提言や連携活動
また、分科会では、マーケティング、ソリューション、ロビーイング、コラボレーションの4つのトピックが中心に据えられています。
会員の構成
NCPCは特別会員と一般会員で構成されています。特別会員にはサイバー犯罪に関する条約を批准した法人が含まれ、一般会員にはセキュリティ製品やサービスを開発・提供する企業とスタートアップが参加します。これにより、多様な視点が結集し、セキュリティ分野の発展を支える基盤を築きます。
未来に向けて
今後、NCPCは国内のセキュリティ関連企業との連携を強化し、技術や知識を共有し合うことで、日本のサイバー防衛力を向上させ、産業競争力を強化していくことを目指しています。特に、国内企業が協力して新たなソリューションを創出し、国際的な競争力を持つ国に成長することが期待されます。
また、NCPCは一般社団法人ソフトウェア協会が事務局を務め、これまでの経験を生かし、活発な活動を展開していく予定です。今後の成長が期待されるこのコミュニティに注目が集まります。