SCSKとServiceNow Japanの戦略的パートナーシップ強化
SCSK株式会社とServiceNow Japan合同会社が、次世代デジタル事業創出に向けた戦略的パートナーシップを強化しました。この提携により、両社は顧客が抱える社会的、業務的な課題を解決し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を加速します。特に、ITサービスが部門別に最適化される中で、業務の複雑化や非効率的なプロセスを最小化し、より創造的な業務への集中を促す環境づくりを目指しています。
背景と目的
多くの企業がDXを進めている一方、単に部門別の最適化に止まる事例が多く、全体の生産性向上にはつながっていない実情があります。このような「DXのサイロ化」は、部門間の情報のやり取りが不十分であることから生じており、アナログな手作業に依存するケースが目立ちます。その結果、業務プロセスが複雑化し、従業員のエンゲージメントも低下するという悪循環が生まれています。
このような背景の中で、AI技術を活用した統合プラットフォームを提供するServiceNowの製品が、業務の効率化や情報連携の強化に寄与することが期待されています。実際、ServiceNowのサブスクリプション売上は2025年第2四半期に31.13億ドルを記録し、前年同期比で22.5%の成長を遂げています。この成長は、ServiceNowの製品が市場から支持されている証といえるでしょう。
具体的な取り組み
ServiceNow CoEの設置
この協業の成果を最大化するため、全社的な推進体制を整える専門組織「ServiceNow CoE」(Center of Excellence)を新設しました。これにより、営業やマーケティング、人材育成などの各機能が一枚岩で活動できる環境を整備し、スピーディーに戦略やアクションプランを策定・実行していきます。特に、人材育成の面では独自のプログラムを用意し、2025年度中に600名以上の専門技術者を育成する計画です。
顧客課題解決のモデルケース創出
SCSKとServiceNowの協業によって、具体的なモデルケースが創出され、顧客の業務課題を解決する手法が提案されます。製造業向けのデジタルサプライチェーン事業では、特にサプライヤーとのコミュニケーションや調達プロセスの効率化を図るソリューションが用意されており、実際に300社以上に導入されたEDIサービスに基づいたサービスを提供しています。これにより、調達リスクが軽減され、サプライヤーとの関係強化の一助となります。
SCSK知財との連携
また、よ中堅マーケット向けに、AIネイティブなERPを中核としたデジタルオファリングサービスとの連携も進めており、SCSKグループの知財とServiceNowの強みを融合させた新たなサービスの展開が期待されています。
今後の展開
2025年10月22日と23日に東京ビッグサイトで開催される「ServiceNow World Forum Tokyo 2025」では、SCSKによる実際の導入事例が紹介される予定です。このイベントを通じて、両社が共創する未来の姿を体感していただけます。
結論
SCSKとServiceNow Japanの強化されたパートナーシップは、次世代のデジタル事業創出へ向けた大きな一歩です。企業のデジタル化を通じて、社会全体の課題解決に貢献することが求められる今、両社の連携による成果に期待が寄せられています。顧客が抱える複雑な業務に伴う問題を解決し、持続可能な成長を支えるその取り組みは、今後さらに注目を集めることでしょう。