飛騨古川に誕生する共創の拠点「soranotani」地鎮祭を開催

2025年11月4日、岐阜県飛騨市で地域と連携した新たな複合共創拠点「soranotani」の地鎮祭が盛大に行われました。飛騨古川駅東開発株式会社が主導し、著名な建築家藤本壮介氏が設計、慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授がプロデュースを手掛けるこのプロジェクトは、2027年度の開業を目指しています。地域の「知・産業・暮らし・観光」が交差する場所を目指し、地域活性化や観光誘致を進める意気込みが感じられました。

プロジェクトの概要

「soranotani」は飛騨古川駅東エリアの再開発を目的とした複合施設です。建物の中には、大学関連のラーニングコモンズやワーキングスペース、アート展示、全天候型の遊び場、商業施設、温浴施設、ホテル、飲食店などが含まれます。また、地元の薬草や木材を活用した体験型のコンテンツも提供され、地域資源を最大限に活かすことを目指しています。

このプロジェクトは、駅前の新たな空間価値を生み出し、飛騨市の活性化や回遊性向上、観光の促進に寄与することを狙っています。

建築とプロデューサーのビジョン

建築家・藤本壮介氏の思想

藤本氏は、soranotaniを「多様な人や活動が響き合う場所」とし、盆地という地形の特性を活かした大きな屋根構造を設計しました。この建物の下では、地域住民や学生、観光客など、様々な人々が自然に交流し、それぞれの活動が活発に行われます。設計の中心には、多様性と一体性の共存をテーマにした新しい景観が描かれています。空に開かれたこの場からは、地域や世界の様々な問いが立ち上り、人々の創造や対話が生まれるでしょう。

プロデューサー・宮田裕章氏のビジョン

一方、宮田氏はこのプロジェクトを「地域を舞台にした共創エンジン」として育成していくことを目指しています。急速に進化する技術環境の中で、問いを立てる力や創造する力が重要であると彼は述べています。この力を引き出し、地域の産業、文化、学びのエコシステムを再構築することで、飛騨古川から新たな価値の連鎖を生じさせる予定です。企業、行政、住民、来訪者が対話し、協力することで、実際の事業や社会実装へとつながる環境を整えることを目指しています。

地域へ及ぼす影響

このプロジェクトは、以下のような地域への波及効果を期待しています。

1. 共創を生み出す関係のデザイン：単なる施設ではなく、有機的に結びつく人々・企業・文化の場として設計されており、公開対話やオープンスタジオを通じて地域課題の解決が進む循環を目指します。
2. 地域を繋ぐ回遊性と学びの連続性：soranotaniを始点として、他の地域施設を結びつけるインフラが整備され、訪れる人々が自然に出会い、学び、体験できる場を提供します。
3. 地域資源の価値化：飛騨地域に根付いた産業や文化、人々の知恵を再編集し、観光やビジネス、教育を結びつける新たな価値創造を促進します。

今後の展開

飛騨古川駅東開発株式会社を事業主体に、設計には藤本壮介建築設計事務所と、宮田裕章氏が新たな価値の提供を目指します。2027年度の開業を目指し、地域、企業、行政、教育の共創ネットワークの構築を図るとともに、建設工事段階にも移行していく予定です。

記事に関するお問い合わせは、Co-Innovation Valley事務局・Co-Innovation Universityの広報担当、辻田雄祐までご連絡ください。メールアドレスは [email protected] です。