福岡県添田町でのドローンによる林業資材空輸
福岡県添田町にて、ドローンを利用した新たな林業資材運搬の実証実験が行われました。4社が連携し、大型物流ドローン「DJI FlyCart30」による重さ4tの資材を空輸しました。この取り組みは、これまでの人力による運搬に代わって、効率的かつ安全に資材を運ぶことを目的としています。
1. 実施内容と成果
2025年3月に行われたこのプロジェクトでは、実際に福岡県の山間部において、2日間にわたって荷物の空輸が行われました。空輸された資材には、アンカー資材や苗木の保護用のサプリガードなどが含まれていました。
ドローンは最長608m、平均429mの距離を走り、10ヵ所の荷下ろし地点に資材を届けることができました。このような新しい運搬モデルの導入により、作業時間の短縮と作業負担の軽減が実現されたのです。
2. 参画企業と役割
このプロジェクトには4社が参加しました。有限会社九州バーク運輸が現地でのディレクションを担い、株式会社セントラルベース26が事業アレンジや業務支援を行いました。そして、株式会社アイテムのドローン事業部が運搬を担当、株式会社トルビズオンは操縦支援を行う役割を果たしました。
3. 背景と目的
林業においては、資材運搬に関する様々な課題が存在します。担い手不足や重労働といった問題が、作業の効率を下げていました。このプロジェクトは、ドローンを活用することで、地域の持続可能な森林管理と作業効率の向上を図ることを目指しています。
特に苗木の保護用サプリガードは、急勾配な地形での運搬時に必要不可欠であり、これを適切に運ぶことが成功の鍵となります。
4. 物流ドローンの検証項目
この実証では、さまざまな項目について定量データの収集が行われました。主な検証項目は次の通りです:
- - 飛行安全性の確認(障害物の回避や電波状態の管理)
- - 運搬効率の測定(搬送重量、時間、バッテリー消費など)
- - 作業負担軽減効果の評価(人手と比較)
- - コスト面のメリット
これらの結果から、物流ドローンが実用的なソリューションであることが明らかになりました。
5. トルビズオンの取り組み
トルビズオンの代表、増本衛氏は、「弊社が搬送オペレーション支援を行い、ドローンが実用的なソリューションとして機能することが確認できたことは意義深い」とコメントしています。今後も企業や自治体と連携し、安全で効率的な空輸オペレーションの推進を目指すとしています。
6. まとめ
このような新しい取り組みは、地域の林業に革新をもたらすだけでなく、他の農業分野や物流にも広がる可能性を有しています。ドローンを活用した新しい運搬モデルの確立が、今後の課題解決につながることが期待されます。詳細な映像はYouTubeにてご確認いただけます。