資生堂の香りで発見する、新しい関係性の可能性
2025年、日本国際博覧会が大阪で開催される際、資生堂は「香りを用いた感性研究」をテーマにした特別イベント「Shiseido Week」を実施します。このイベントは、7月11日から20日までの10日間、河瀬直美氏がプロデュースするシグネチャーパビリオン内で行われ、「美の対話」というテーマのもと、多様な人々とのコミュニケーションを促進する新たな試みです。
香りが人とのつながりを変える
資生堂の実証実験は、香りが人々の関係性を改善する可能性に着目しています。現代社会では、単身世帯の増加や働き方の多様化によって、人々のつながりが希薄になりつつあります。これに伴い、孤独や孤立の問題が深刻化しているため、香りが心のつながりを強化する手助けとなるのではないかという仮説が立てられました。
参加者は、対話シアター棟で初めての人と「美」に関するテーマについて対話を行い、その過程でどれだけ心を通わせるかを観察します。この実験では、参加者の感情が可視化され、どのタイミングで香りが放出されるかも記録される予定です。これにより、香りが持つ潜在的な力を探求することができます。
特別企画の内容
「Shiseido Week」では以下の三つの特別企画が用意されています。
1.
共感体験実証実験: 来場者が選ばれ、初対面の対話者と美に関するテーマで対話を行います。この時、感情の交流を香りで可視化し、体験後にはその結果も振り返ります。
2.
Beauty Dialogue Letter & Post: 来場者は、心動かされる瞬間を書き留めた手紙を特製のレターセットを使って送ることができます。このアクションを通じて、人との心のつながりの大切さを再認識します。
3.
香りのおもてなし: 資生堂アルティミューンの香りを体験者に提供し、感情的な心地よさをもたらします。
サステナビリティへの取り組み
資生堂は持続可能な社会の実現に向け、使用済みの化粧品容器を再利用して新たな製品を生み出す「BeauRing」というプロジェクトにも取り組んでいます。また、「Beauty Dialogue Letter & Post」のポストも、この取り組みの一環で、リサイクル素材から作られています。
今後の目標と展望
資生堂は、「Personal Beauty Wellness Company」として訪れる人々の健康や美を長期間にわたって支える企業を目指し、感性研究を通じた新しい価値の提供に取り組んでいます。今後、大阪・関西万博での実証実験の成果をもとに、他の製品やサービス開発に活かし、革新的な体験を提供する予定です。
このように、資生堂は香りを用いた新しい感性価値の創出を通じて、人々の心を結びつける取り組みを進めています。万博という時空間の中で、私たち一人ひとりがどのように美しさを感じ、つながりを創造するのか、今後の展開に注目です。