最近、日本テトラパック株式会社が30歳から59歳の男女2,000名を対象に「ローリングストック」に関する意識調査を行いました。この調査は、人々の食料備蓄や普段の食生活への意識、さらには自然災害への備えについて、実際にどれだけ知識が浸透しているのかを明らかにすることを目的としていました。
ローリングストックの概念は、日常的な食生活において必要な食品を常にストックし、必要に応じて消費しながら新たに補充するという方法です。この手法は、災害時の非常食備蓄とは異なり、日常的に食べている食品を利用することで、非常時にも食べ慣れたものを摂取できるという大きな利点があります。しかし、調査によると、このコンセプトを知っている人はわずか3割に過ぎず、約6割の人はその言葉すら聞いたことがないという結果が出ました。
調査結果のポイント
1.
ローリングストックの認知度の低さ: 調査によると、「よく知っている」と答えた人はわずか8.3%、とりあえず「なんとなく知っている」という20.0%を合わせても全体の3割以下に留まっていました。これは、ローリングストックが国や自治体でも推奨されているにも関わらず、まだまだ浸透していないことを示しています。
2.
実施している人の理由: 実際にローリングストックを実施している28.6%の人々のうち、最も多くの人が「食品がストックされていることが安心をもたらす」と答えています。非常食と異なり、普段から使いやすく、美味しい食事として取り入れることができる点が大きな魅力となっているようです。
3.
実施したいがしていない食品: できればローリングストックを取り入れたいと考えるものとして、最も多く挙げられたのが「パックご飯」、次に「缶詰・瓶詰の食品」、さらに「牛乳」や「野菜ジュース」がランキングに登場しました。特に牛乳については、冷蔵保存が必要であることや賞味期限が短いため、ストックするのが難しいという声が聞かれました。
4.
今後の実施意向: 興味深いことに、調査では約半数の49.7%の人が今後、ローリングストックを実施したいと回答しています。また、ストックする食品が常温で保存できるようになれば、実施したいと考える人が増えることも示唆されています。
日常に取り入れる方法
ローリングストックは特別な準備を必要とせず、普段の食生活から取り入れることが可能です。料理研究家で防災士の島本美由紀先生は、普段から食べているものを多めにストックすることを推奨しています。特に非常時に食べやすい食材を選んでおくと、自信を持って備蓄することができます。
食材の管理やストックの工夫: 日常的に購入する食品は、キッチンやパントリーに整理し、補充を行いやすいように管理します。また、ロングライフ紙パックとして常温で長期保存可能な食品をストックすることで、普段使いしながら効率よく備蓄することが可能になります。これにより、無駄な廃棄を防ぎつつエコにも貢献できます。
このように、ローリングストックは日常生活の延長線上にある便利なアイデアであり、多くの人々に利用されるべきです。災害時の備えだけでなく、普段の生活を豊かにするためにも、今すぐ始めてみましょう。