農業界に革新をもたらす夜間温度むら解析サービス
トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(愛知県豊田市、以下「当社」)とトヨタネ株式会社(愛知県豊橋市、以下「トヨタネ」)が、ハウス栽培を行う農家のための「夜間温度むら解析サービス」を共同で展開すると発表しました。この新たな取り組みは、農業の発展と環境への配慮を両立させることを目指しています。
背景 : 農業のエネルギー課題
年々、農業の現場では燃料価格の高騰が蔓延しており、特に冬場は暖房のために多くのエネルギーを消費するため、その負担は農家にとって大きな問題です。ビニールハウス内部では、暖房が行われていても場所によって温度差、いわゆる「温度むら」が発生し、効率的な暖房が求められています。これに伴い、暖房ダクトの設置や調整は長年の経験に依存している部分も多く、低温部に併せて全体の設定温度を高くすることがエネルギーの無駄遣いに繋がることもあります。
画期的なサービス内容
今回のサービスは、当社が自動車産業で培った計測・制御技術を活用し、環境むらを可視化する「環境センサシステムECOREQUIRE(エコリクワイア)」を使用します。このセンサシステムを通じて、ハウス内に9台のセンサを設置し、複数地点の温度を同時に計測。それにより、温度の分布がクラウド上で視覚化され、農家に具体的な改善提案が行われます。サービスは約6日間の期間で、計測から改善提案、効果の確認までを一貫して請け負います。
成果と導入効果
このサービスを利用することで、具体的な数字によってその効果が証明されています。30a(約3,000㎡)規模のハウスでは、暖房設定温度をわずか0.5℃下げることに成功し、次のような効果が得られました:
- - A重油使用量:年間約3,455Lの削減
- - 燃料費の削減:年間約38万円
- - CO₂排出量:年間約9.5トン削減
- - 作物の生育ばらつきの改善:約50%向上
これにより、出荷量の安定化にも寄与し、農家の負担軽減が図られます。また、既存の暖房システムを活用できることで、大規模な設備投資を伴わない省エネ対策としての導入が可能です。
今後の展開と普及計画
この夜間温度むら解析サービスは、2024年11月からJA豊橋、JAひまわりにて有償で提供される予定で、すでに愛知県内で20件以上の成功実績があります。これまで既存のハウスを中心にサービスを提供してきましたが、トヨタネとの提携により新設ハウスの提案段階から関わることができ、さらには農家との接点を大切にしながら、サービスの提供地域を拡大していく方針です。この連携によって、トヨタテクニカルディベロップメントは全国展開を視野に入れ、さらなる農業の発展に寄与していくことでしょう。
この画期的な試みは、単なるコスト削減に止まらず、持続可能な農業の未来を切り開く一助となることが期待されています。今後のさらなる発展に注目が集まります。