薬王堂とシンギュレイトによる人的資本経営支援の新しい取り組み

薬王堂とシンギュレイトの人的資本経営への挑戦

株式会社シンギュレイトは、東北6県を中心に372店舗を展開する株式会社薬王堂が、新たに「人、組織、データ」の統合的な人的資本経営を促進する支援プロジェクトを開始することを発表しました。この支援により、薬王堂は地域の皆様の美と健康、そして豊かな暮らしに貢献することを目指します。

1. 統合的な人的資本経営の実現

薬王堂は、実店舗を持つ小売業において、データに基づくマーケティングや店舗施策を推進してきました。2024年4月よりスタートした新たな取り組み「薬王堂PBMA」では、店舗運営の強みを活かし、整備されたデータベースを利用して新しい購買体験の実現を目指しています。この取り組みによって、営業メンバーはデータ分析から洞察を得て、実際のアクションに繋げることが求められています。

シンギュレイトはこの取り組みにおいて、薬王堂の事業理解を深め、データ運用のノウハウを構築してきました。そして、人的資本経営の強化に向けて、新たに「人と組織」の支援を始めることになりました。プロジェクトは、商品や消費者行動の分析だけでなく、人的資本に関するデータを数値化し、働きやすい店舗運営の実現を目指します。

2. ピープルアナリティクスの新たな可能性

ピープルアナリティクスは、人事データを活用する手法ですが、企業の経営に直接結びつくことが少ないのが現状です。シンギュレイトの支援により、薬王堂はPBMAで集めた事業データと人事データを統合し、顧客サービス向上にも繋がる売上の向上を図ることを目指します。

データサイエンスに特化したシンギュレイトは、組織を支える科学的知識を用いて、人的資本経営を次のステージに進化させます。

3. イノベーション・サーベイによる組織構造の可視化

シンギュレイトが提供する「イノベーション・サーベイ」は、組織の信頼構造を可視化するためのツールです。企業の信頼関係を評価することで、組織がイノベーションを創出するために必要な要素を把握し、改善提案に繋げます。

さらに、シンギュレイトは新規データ収集を通じて、店舗運営の向上に寄与する施策を設計し、実施しています。既に1on1施策を推進し、従業員同士の信頼を深める活動を展開中です。この施策では「聴く」姿勢が重要視され、メンバー間の感謝の感情を高める効果も報告されています。

4. 可視化された信頼と売上向上の関係

最近実施されたイノベーション・サーベイの結果からは、薬王堂内の信頼レベルが業界平均を上回ることが確認されました。特に、店舗運営に関わる部署においては「信頼のU字カーブ」と呼ばれる現象が観察され、中間管理職に信頼度の低下が見られることが指摘されました。これは、組織構造が信頼の状態に影響を及ぼすという重要な洞察を提供します。

また、売上向上に繋がる要因と、働きがいの向上に関する要因が異なることも示され、双方のバランスを意識した取り組みが重要であることが明らかになりました。企業にとって、持続可能な成長には両者の両立が必要不可欠です。

今後の展望

今後、薬王堂は収集したデータを基に、組織のメカニズムに迫りつつ、1on1や勉強会といった施策の効果も検証していきます。シンギュレイトとの連携によって、人的資本経営の実質的な進展が期待されます。

株式会社薬王堂とシンギュレイトについて

薬王堂は、東北6県で390以上の店舗を展開し、豊富な品揃えを誇るドラッグストアです。最近では、ベンチャー企業との協働や SDGsへの取り組みなどにも積極的に取り組んでいます。一方、シンギュレイトは、人と人をつなげることをミッションとし、信頼を基にした組織のイノベーションを促す事業を展開しています。併せて、ピープルアナリティクスを用いて様々な支援サービスを提供しています。