2025年育児休業法改正への期待と不安
2025年に予定されている育児介護休業法の改正は、保育士にとって大きな影響を及ぼす可能性があります。株式会社明日香が運営する「子ねくとラボ」は、保育士146名を対象に意識調査を実施し、現場の声を集めました。この調査結果から見えてきたのは、法律の改正がもたらす期待と現実の厳しさです。
■現在の育児休業制度の実態
調査によると、保育士の約3割が「育児休業が取得できるが、困難」と感じており、その理由として「人手不足で同僚に迷惑をかける」との声が38.8%を占めています。これは、保育業界における人的リソースの限界を示すものであり、育児と仕事の両立がいかに難しいかを物語っています。
収入面の不安も多く挙げられ、34.7%の保育士が「収入の低さから育児休業を取るのが難しい」と回答しています。保育士の処遇問題は深刻で、52.4%の人が近年の処遇改善を「実感できていない」とのこと。保育士業界が直面する課題は、深刻な人手不足とそれに伴う待遇の低さにあると言えます。
■法改正への期待
2025年の法改正については、84.1%の保育士が賛成の意向を示しており、その理由の多くが「育児と仕事の両立がしやすくなること」や「働き方の選択肢が増える」ことです。この改正は、対象が拡大されることで、より柔軟な働き方が可能になると期待されています。
■改正反対の声も
一方で、法改正に対する反対意見も無視できません。54.5%の反対者は「保育の質の維持が困難になる」と懸念しており、現場の人手不足がますます厳しくなるとの声が挙がっています。これらの意見は、現場のスタッフが日々直面している問題を反映しています。
■処遇改善と今後の方向性
処遇改善についての実感が薄い背景には、他業種と比較して依然として低い水準の給与が影響しており、保育士が良い働き方を求める中で、どのように人材を確保するかが大きな課題となっています。今後、法改正が真に効果を上げるためには、現場の声をきちんと反映し、保育士が安心して育児休業を取得できる環境を整える必要があります。
■未来に向けて
最終的に、2025年の育児介護休業法改正が、保育士にとって実現可能な制度となるためには、人材確保の支援に加え、多様な保育サービスの充実が必要です。保育士が仕事と育児を両立しやすくなるための制度設計を行い、透明性を持って運営される保育施設のあり方が求められています。これによって、真に保育士が働きやすい環境が整うことが期待されます。今後も、子ねくとラボを通じてその取り組みを見守っていく必要があります。
このように、育児休業法改正に対する保育士たちの意見と感情は多様であり、それぞれの方のニーズに応じた柔軟で働きやすい環境が求められる時代がやってきています。法律の改正が実際の職場でどのように反映されるか、今後の動きに注目が集まります。
こちらの調査結果は、
子ねくとラボの進行中の研究プロジェクトに基づいて掲載されており、今後も詳細な取り組みを発信していく予定です。