新たな海上通信の扉を開く「コースタルリンク」とは？

海上通信の新時代を切り開く「コースタルリンク」

海上での通信は、航行安全や業務の円滑化に不可欠な要素です。このたび、フューチャークエスト株式会社が発表した海上通信プラットフォーム「コースタルリンク」は、すべての船舶や港湾施設との交信を可能にし、その役割を大きく変えると期待されています。この革新的な技術の詳細と背景について探ってみましょう。

コースタルリンクの概要

「コースタルリンク」は、次世代AIS（自動船舶識別システム）として知られるVDES（VHF Data Exchange System）と自社独自の技術を活用しています。これにより、小型船から大型船、さらには港湾施設まで、全ての関係者をデジタルでつなぎ、一元的な通信を実現します。これまでの海上通信の課題を解決する重要なサービスと言えるでしょう。

日本財団の支援による創業支援プログラム

フューチャークエスト株式会社は、日本財団の支援を受けて「日本財団ソーシャルチェンジメーカーズ」プログラムに参加しています。このプログラムは、創業初期のスタートアップを対象とした支援で、社会的なインパクトを持つビジネスモデルの構築を目指しています。特に、プロジェクトに関わる専門家たちが、疑問や課題を解決するため多角的なサポートを行っています。これにより、「コースタルリンク」は確かな技術に基づいて今後の展開を迎えることが期待されています。

コースタルリンクの特長

このプラットフォームの特徴は、すべての船舶と交信が可能である点です。
具体的には：

全ての船舶と交信が可能：大型船から小型船まで、すべての船舶とのコミュニケーションをサポート。

直観的なインターフェイス：ユーザーの使いやすさを考慮した画面設計で、すぐに交信を開始できます。

最適化されたソリューション：小型船、大型船、海岸施設それぞれに最適な情報共有が可能です。

実際の活用方法

特に手軽なのは、小型船向けのソリューションで、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで使用可能です。画面上のアイコンをタップすることで、簡単に交信を開始できる点は、ユーザーにとって大きなメリットです。これにより、海上コミュニケーションが格段にスムーズに進むことが期待されています。

フューチャークエスト株式会社の目標

フューチャークエストは「海洋でつながりと共助を」というスローガンを掲げ、海上での円滑なコミュニケーションの実現と海洋域のデジタル・トランスフォーメーションを推進しています。2022年7月には内航船や小型船舶、港湾施設向けのβ版を公開し、実証評価を行う計画です。また、2024年には本サービスの正式な開始、さらには2027年の株式上場も視野に入れています。