宮本亞門がひきこもり理解を広める全国キャラバンを開始

宮本亞門がひきこもりを理解する全国キャラバンを開始

2023年8月23日、ビジョンセンター横浜みなとみらいでスタートした「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバン」は、著名な演出家・宮本亞門氏がクリエイティブプロデューサーを務め、人々の心に寄り添う催しです。このイベントは、パルシステム連合会が企画委員を務める「ひきこもり広報事業」から派生しました。

このキャラバンは、各地でひきこもりへの理解を促すことを目的に、神奈川、高知、秋田、新潟、奈良、大分の6県で開催されます。これにより、社会における多様性についての意識を高め、ひきこもりの当事者への理解を深めることを目指しています。

人生ドラマグラフワークショップ

横浜でのワークショップでは、宮本氏自らが「人生ドラマグラフワークショップ」を実施。このワークショップは、ひきこもりの当事者やその家族が自らの過去を振り返り、心の状態を可視化する手法です。参加者は、自身のモチベーションの変化を乗せた折れ線グラフを描き、宮本氏との対話を通じて共有しました。

宮本氏の自身の経験に基づくグラフが登場すると、参加者の心に響き、共感を生みました。彼の話によって、多くの人が自身の経験を真摯に語る勇気を得たのです。その中には、高校時代に1年間引きこもりだったエピソードや、家庭内での葛藤など、多様な状況が含まれていました。

朗読劇での表現

参加者たちは、ワークショップの中で自らの体験を基にした朗読劇を披露しました。この劇では、家族や周囲の人々から受けた言葉が再現され、当事者の苦しみが理解される瞬間が生まれました。宮本氏は、参加者が言葉にすることで自らの過去を客観視できることが重要だと強調しました。

「すべての人には異なる人生のドラマがあり、時にはそれを封印せざるを得ない瞬間もあります。しかし、他者の生き方を理解し、受け入れることで、より良い社会を築くことができるでしょう」と語った宮本氏の言葉は、参加者に深い感動をもたらしました。

パネリストによる対談

イベント後半では、「自立？自律？生きやすい社会はどっち」と題したパネルディスカッションが行われ、NPO法人パノラマの理事長や経験者などが登壇しました。支援における過去の考え方と現在の流れの違いについて、率直な意見を交わしました。

過去の支援は経済的自立を目的としていたが、最近は「自分を大切にすること」が重要視されてきています。参加者たちが、自律を実現することで自立への道を見出した経過を語り、その経験が希望の光となりました。

これからの活動

「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバン」は今後、各地でのイベントを通じて、より多くの人にひきこもりに対する理解を広げることを目指します。参加者たちは、これまでの自らの経験を最大限に活かし、未来の地域づくりに貢献する意欲を見せています。

パルシステムもこの事業に協力し、様々なメディアや地域の取り組みを通じて、ひきこもりの問題を社会全体で考えるきっかけを提供していきます。自分たちの経験を活かし、共に支え合う社会を作ることが、今求められていることなのでしょう。