OKIが開発した124層PCB技術についての詳細
OKIサーキットテクノロジー(OTC)が、次世代AI半導体に用いられる124層プリント配線板(PCB)の技術を開発しました。これは、AI関連の処理を行う際に要求される膨大なデータの伝送能力を実現するための重要なステップとなります。
技術開発の背景
AI半導体が進化するに連れて、高速かつ高周波でのデータ転送が求められています。特に、GPUとメモリー間でのデータ伝送は、新しいアプリケーションやサービスの基盤を成すものであり、これに応じた高性能PCBが必要不可欠です。今回成功した124層PCB技術は、従来の108層から約15%の多層化を果たしており、これにより大容量かつ高精度なデータ処理が可能になります。
高密度化の重要性
最新世代の半導体では、搭載するチップ数や信号数が増加し、PCBはさらなる高密度化が求められます。しかし、様々な難題に直面し、現在の技術では板厚が制限されているため、124層を実現するには新たな材料や技術の開発が必要でした。OTCは極薄の特殊材料開発や、それに対応した治工具とハンドリング技術を導入することで、486層までの高多層化を可能にしました。
OKIの取り組みと未来展望
OKIは「設計から製造、信頼性試験までを一貫して行うモノづくりの総合サービス」を核に、EMS事業へ積極的に取り組んでいます。特にPCB技術開発においては、AI半導体だけでなく、航空宇宙、防衛、ロボット、次世代通信などの成長産業にも注力しています。将来的には、これらの技術が更なる進化を見せ、より多くの応用分野での利用が期待されます。
展示会での発表
OTCは2025年4月30日から5月2日まで、米国マサチューセッツ州Boxboro Regency Hotel and Conference Centerで行われる「PCB East 2025」に出展し、この124層PCB技術を紹介する予定です。業界関係者や顧客との貴重な交流の場として位置づけられており、実際に技術のメリットを直接伝えるチャンスとなるでしょう。
まとめ
次世代AI半導体の進化に向けて、OKIが開発した124層PCB技術は、半導体業界全体に革新をもたらす可能性があります。今後もこの分野における研究開発が進むことで、新しい技術の進展が期待され、多様な産業への応用が広がるでしょう。