営業職におけるSNS活用の実態調査
近年、営業職にとっての人脈形成は、従来の手法だけでなくSNSの活用が新たなスタイルとして浸透しています。株式会社研美社は、大阪で営業職を対象とした「人脈形成とSNS活用の世代比較」に関する調査を実施しました。この調査結果は、業界のトレンドを反映し、今後の営業活動における重要な示唆を与えています。
調査概要
調査は2025年6月12日から13日まで実施され、対象は20代、30代、40代の営業職に従事する1,016名です。調査方法はPRIZMAによるインターネット調査で、営業職にとって欠かせない人脈形成の方法やSNS活用の実態が明らかになりました。
現在の人脈形成手法
調査の結果、営業職の人脈形成において最も多くの人が選んだ手法は『知人・取引先からの紹介』で、59.9%がこれを選択しました。次いで『交流会・展示会への参加』(53.4%)、『SNSの活用』(30.1%)と続きました。これにより、営業職は依然として対面による信頼構築を重要視していますが、SNSの活用も着実に浸透してきていることがわかります。特に、SNSは若い世代にとっては有効なツールとなっているようです。
世代間の違い
調査結果によれば、20代と30代の営業職は過半数がSNSを活用しているのに対し、40代ではその割合が約6割と、世代間に明確なギャップが存在しています。この違いは、デジタルネイティブと呼ばれる若年層に対し、年長層はSNSを仕事に用いることに慎重に思っているためと考えられます。この世代間ギャップが今後の営業スタイルにどのように影響を与えるのか、注目が集まります。
SNS活用の理由と成果
さらなる調査で、SNSを利用する理由として最も多かったのは「継続的なコミュニケーションができる」や「趣味や価値観が分かる」といった関係構築に関するものでした。さらに、8割以上の営業職がSNSを介して商談につながった経験があることから、SNSは単なる情報発信の手段にとどまらず、営業活動の重要なツールとなっています。
名刺とSNSの連携
名刺の役割も変わりつつあり、デジタル名刺の需要が高まっています。調査結果によれば、多くの営業職が名刺とSNSを連携できるサービスに興味を示しており、自身のSNSアカウントやプロフィールに容易にリンクできることで、関係性の深化を図りたいと考えているようです。
まとめ
本調査を通して、営業職における人脈形成方法やSNS活用が世代間で異なることが明らかになりました。特に、20代、30代の世代がSNSを活用する一方で、40代はまだ活用が遅れていることがわかります。この世代間のギャップが今後の営業スタイルにどのように影響を及ぼすのか、今後の動向が注目されます。また、名刺の役割も再考される必要があり、デジタル名刺の重要性が今後高まることが予想されます。営業という職業が「売上の追求」から「関係性の構築」へと進化していく中で、企業や営業職自身がどのように変わってゆくのか、非常に興味深いテーマと言えるでしょう。