高齢者施設での食中毒発生、町田市でウエルシュ菌による集団食中毒が発生

東京都町田市内の高齢者施設で、食事提供による食中毒が発生しました。東京都保健医療情報センターを通じて、5月26日(日曜日)午後3時5分に町田市保健所に、入所者31名が下痢を呈しているとの連絡がありました。

町田市保健所は、直ちに食中毒調査を開始しました。調査の結果、5月25日(土曜日)午後8時30分から同月26日(日曜日)午後7時00分にかけて、当該施設の入所者53名と調理従事者2名の計55名が下痢などの症状を訴えていました。

患者8名と5月25日(土曜日)の食事を喫食した非発症の調理従事者1名のふん便からウエルシュ菌が検出されました。また、施設内で感染症を疑う情報がないことを確認しました。

東京都保健所は、これらの調査結果から、本件を当該給食施設が5月25日(土曜日)に調理、提供した食事を原因とするウエルシュ菌による食中毒と断定しました。

患者は共通して5月25日(土曜日)の食事を喫食しており、患者の症状や潜伏時間はウエルシュ菌によるものと一致していました。また、患者の発症時間に一峰性がみられ、施設内で感染症を疑う情報がないこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、ウエルシュ菌による食中毒と判断されました。

町田市は、本件を受けて当該施設に対して7日間の営業停止処分を行いました。

今回の食中毒は、ウエルシュ菌によるものと判明しましたが、ウエルシュ菌は土壌や食品に広く存在する菌であり、適切な加熱処理を行わないと食中毒を起こす可能性があります。食品を扱う際には、十分な加熱処理を行い、食中毒予防に努める必要があります。
今回の食中毒発生は、高齢者施設という、特に健康面への配慮が求められる場所での発生であり、大きな問題となっています。今後の展望としては、食中毒の再発防止策の強化が重要となります。

具体的には、施設内の衛生管理の徹底、従業員の食中毒に関する知識・意識の向上、食品の適切な加熱処理、食材の管理体制の強化などが挙げられます。

また、高齢者施設においては、入所者の健康状態や食事に関する情報収集を行い、食中毒のリスクを事前に把握しておくことも重要です。

東京都は、今回の食中毒発生を教訓とし、高齢者施設における食中毒予防対策の強化に力を入れていくとしています。東京都は、今後も関係機関と連携し、食中毒の発生防止に向けた取り組みを推進していく予定です。

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