アニメ制作の風景と新山恵美子氏のインタビュー
2023年、現在も多くのファンに愛されているアニメ「忍たま乱太郎」。その制作を支えているのが、アニメーター・新山恵美子さんです。亜細亜堂に所属する新山さんは、テレビシリーズのキャラクターデザインだけでなく、今後公開予定の劇場版も手掛けています。彼女のアートの道のりや、制作時に使用するツールについてお話を伺いました。
新山恵美子氏の幼少期の影響
新山さんは、両親が共働きで、家族の中で絵を描くことを通じて楽しさを見出しました。兄弟間で競い合うことで、絵の技術を磨き、小学校では賞を獲得することも多かったそうです。アニメにも早くから親しみ、ストーリーの動きや表現方法に興味を持っていたことも、彼女がアニメーターの道に進む要因の一つでした。
美大での経験とアニメ係への道
高校時代はサッカー部に所属し、一時は絵から遠ざかるも、美術大学への進学を経て再びアートの世界に目覚めました。その中で、先代の「忍たま乱太郎」のキャラクターデザイナー、藤森雅也氏に感銘を受けるなど、アニメーションへの情熱を再燃させました。
「亜細亜堂には絶対に入りたかった」と語る新山さん。彼女の「忍たま」に対する深い愛情が、アニメ業界での道を切り開いたのです。
版権イラスト制作とibisPaintの活用
新山さんの制作における一つの大きな武器として「ibisPaint」があります。アイビスペイントとの出会いは2017年、キャラ表制作の困難さからデジタルツールを探していた際に先輩からの勧めを受けたことで始まりました。それ以来、アナログで描いたラフを整える作業や、着彩作業のほとんどをibisPaintで行っています。
使い慣れた「柔らか丸ペン」で好みのアートスタイルを追求しつつ、作品の仕上がりに貢献しています。
プロとしての心構え
新山さんは、プロとしての作品作りには「インプット」が不可欠であると述べています。様々なジャンルのものに触れることで、自らの引き出しを増やし、多彩な表現方法を学ぶ必要があると感じています。また、技術の向上には自らの苦手を把握し、周囲からのフィードバックを受けることが重要であるとも語ります。
今後の展望と若いクリエイターへのメッセージ
プロへの道のりは決して簡単ではなかったと語る新山さんは、挑戦を続ける意味と楽しさを感じながら仕事に向き合っています。彼女は若い世代に対し、今の環境では新しいアイデアを生み出しやすいことから、挑戦を続けてほしいとエールを送りました。アイビスペイントを用いた新しい表現やアイデアが、これからのアニメーション界を彩ることを期待しています。
新山恵美子氏のキャリアや、プロとしての姿勢に触れることで、多くのアニメファンや志望者に勇気を与え続けることでしょう。