京都の伝統と未来を繋ぐ「KYOTO CRAFTS and DESIGN COMPETITION 2024-2025」受賞作品発表
京都伝統産業ミュージアムで毎年注目を集める「KYOTO CRAFTS and DESIGN COMPETITION」が、2024-2025年度の受賞者を発表しました。2025年3月20日に行われる表彰式に先立ち、全国から寄せられた多彩な応募作品の中から受賞作品が選ばれました。作品は「一般部門」と「学生部門」の二部門で競われ、応募者の年齢は18歳から78歳までと幅広い層が挑戦しており、今年度は160件の作品が集まりました。
受賞作品の紹介
グランプリ受賞
受賞作品: ボンボウニエール
制作者: 株式会社表望堂 島本 恵未
島本恵未さんが手掛けた「ボンボウニエール」は、フランスの小さなお菓子を入れるための容器とウニの殻を融合させた新感覚のジュエリーです。漆を用いてウニの殻を強化し、用途はお菓子入れとしてや一客一亭の茶器、さらには小さな宝箱としても使用できます。見立ての文化を巧みに利用し、美しい自然物の形を残す姿勢が評価されました。
学生部門賞受賞
受賞作品: 御神木皮の御朱印帳
制作者: 京都工芸繊維大学大学院 粟竹 知佳
この作品は御朱印帳を江戸時代からの伝統技法と現代のデジタル手法で新しいプロダクトへと昇華させたもの。御神木の表皮を撮影してデジタル化し、レーザー彫刻を用いることで現代アートとしての新たな価値を創出しています。
オーディエンス賞受賞
受賞作品: Bombyx Coat
制作者: N's 1182 前田 雄亮
日本の伝統的な西陣織を用いた「Bombyx Coat」は、平安時代の装束にインスパイアを受けた作品です。オーディエンス賞では、888票の投票のうち50票を獲得し、多くの人に支持されました。これにより、伝統と現代の融合を体現した作品としての存在感を強調しています。
以下、他の受賞作品や特別賞の詳しい情報が揃っております。審査員たちの講評も交え、作品一つ一つが持つ背景や製作者の思いが語られました。
審査員の反応
審査員たちは作品の独自性だけでなく、社会的な背景や文化的意義も評価し、多くの可能性を感じています。特に「ボンボウニエール」は海洋問題に対する新しい見立てとして高く評価され、他の作品にも伝統技術と現代デザインの融合が求められていることが伺えました。
主催・概要
このコンペティションは、京都伝統産業ミュージアムと京都産業振興センターにより運営され、後援には京都新聞やKBS京都が名を連ねました。今後の作品募集期間は2024年9月1日から11月30日までで、さらなる挑戦を期待しています。