栗林商船グループの新たな挑戦
栗林商船グループは、物流問題が深刻化する中、シマダヤとの提携により冷凍麺の海陸複合輸送を開始しました。この取り組みは、「物流2024年問題」と呼ばれる深刻な課題を解決するための一環で、特に環境負荷の削減を目指すものです。
物流2024年問題とは
物流2024年問題は、2024年4月からの改正トラック運送業法により、ドライバーの労働時間や運転条件が厳格化されることによって、物流業界全体に影響を及ぼすと予想されています。このような背景を受けて、栗林商船グループは、荷主企業のニーズに応える形で海陸複合輸送の提供を始めることになりました。
海陸複合輸送の背景
シマダヤは、従来トラック輸送を中心に行っていましたが、環境問題やリスクヘッジの観点から、輸送経路の見直しを検討していました。特に仙台に主力工場があり、仙台港を有効に活用する必要がありました。調査の結果、栗林商船グループが唯一、仙台-大阪間のRORO船事業を行っていることがわかり、早速トライアル輸送を実施。2024年3月から本格導入が決定しました。
環境効果と効率的な輸送
陸上輸送から海上輸送へシフトしたことで、驚異的な環境効果を達成しました。具体的には、月間で約4.64トン、全体のCO2排出量の74%を削減することにも成功。これにより、運転手の拘束時間が11時間から3時間へと大幅に短縮され、労働条件の改善にも寄与しています。
今後の展望
栗林運輸は、トレーラーによる輸送が可能なため、今後も積載量を増やすことが期待されています。シマダヤも、長距離輸送の確保が難しくなる中、モーダルシフトによる冷凍食品の輸送を積極的に推進する計画です。
最後に
栗林商船グループとシマダヤのコラボレーションは、今後の物流の在り方を示す好例となるでしょう。運輸業界の課題を乗り越え、持続可能な社会を目指す取り組みが期待されます。