アストンマーティンValkyrieの躍進
アストンマーティンのハイパーカー「Valkyrie」が、近年の耐久レースシーンで目覚ましい成果を収めています。5月11日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われたFIA世界耐久選手権(WEC)において、Valkyrieは自己ベストタイムを記録し、レース中もポイント獲得争いに参加しました。このレースでは、最終的に総合13位と14位の結果を残しました。
同週末、アメリカのラグナ・セカでは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)に出場したValkyrieが10位に入り、3連続のポイントフィニッシュを達成しました。この成果により、Valkyrieは全戦ポイントを獲得するという素晴らしい記録をさらに強化しました。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者アダム・カーター氏は、「今週末、Valkyrieは3台とも素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。特に高速で難易度の高いスパにおいて、WEC出場の2台がリードラップを維持しながら走り続けたことは、マシンのパフォーマンス向上を示しています。シーズンの重要なレースであるル・マン24時間に向けて、Valkyrieのペースが上昇していることは非常に喜ばしいことです」とコメントしました。
しかし、アメリカでは運が味方せず、Valkyrieはレース中に起こった接触に伴いタイヤに問題が発生しましたにも関わらず、3連続ポイントフィニッシュを果たすことができました。今シーズン、Valkyrieは9回のスタートのうち8回を完走しており、非常に信頼性の高いマシンとなっています。
また、スパ・フランコルシャンの6時間耐久レースでは、安全カーの出動もあり、波乱の展開が見られましたが、Valkyrieのドライバーたちは冷静にレースを進め、007号車と009号車の2台はそれぞれ13位と14位でフィニッシュしました。
の007号車を運転するトム・ギャンブル選手は、「レース終盤には十分にポイント獲得圏内で戦っていましたが、給油のためのピットストップが必要でした。次回は全力で好結果を狙いたいです」と語りました。
一方、ラグナ・セカでは、アストンマーティンTHORチームのドライバーであるロス・ガン選手とロマン・デ・アンジェリス選手が堅実な走りを披露し、10位入賞を果たしました。ガン選手は、レース中にパンクのアクシデントに見舞われたものの、最後まで走り抜きました。彼は「全般的に良い週末になりました。次回のデトロイトに向けても準備を進めたいです」と話しました。
アストンマーティンValkyrieは、2025年にIMSAとWECで同時に戦う唯一のハイパーカーであり、そのパフォーマンスには今後大きな期待が寄せられています。特に、Valkyrieは公道仕様のハイパーカーをベースにしており、IMSA最高峰GTPクラスでもその実力を証明しています。新たなテクノロジーを駆使したエンジン性能やカーボンファイバー製シャシーが42までの進展を見せており、今後の続報に目が離せません。
アストンマーティンは、モータースポーツにおける挑戦を続けながらも、環境への配慮も忘れず、2030年までに製造施設をネットゼロにする目標を掲げています。これからの成長と発展に注目していきたいです。