日本城郭協会の新たな挑戦、研究紀要の創刊
公益財団法人日本城郭協会が、城郭に関する調査・研究の新たな取り組みとして『日本城郭協会研究紀要』の創刊を発表しました。この紀要は、城郭研究に関心を持つ人々に向けた貴重な情報源となることを目指しています。
創刊号の内容
創刊号には、編集委員による論文、城郭・城址に関する最新の調査報告、さらには城郭関連論文のリストが収められています。特に、巻頭言を寄稿している小和田哲男理事長は、城郭の研究が持つ価値をわかりやすく解説しています。
論文セクションには、天正期の駿府城を検証した加藤理文氏の論文や、城郭外縁部の虎口と道に焦点を当てた高田徹氏の試論、さらには山城の蔵の機能や選地について考察した中井均氏の研究などが含まれています。加えて、近世城郭における石材調達の側面を乗岡実氏が述べ、武田氏の信濃侵攻を通じて戦国大名の領国拡大と郡司・城将の設置について平山優氏が考察しています。
発掘調査報告
また、巻末には最近の発掘調査の成果も掲載されています。特に、飛騨市と大東市、岡山市などからの報告があり、地域の歴史を知る上で重要な情報となるでしょう。これらの調査結果は、城郭文化の保護や理解を深めるための基盤となります。
『お城EXPO2024』での頒布
この研究紀要は、2024年12月21日から22日に開催される『お城EXPO2024』にて先行頒布され、その後2025年1月から希望者に頒布される予定です。価格は一般が2,500円で、日本城郭協会の会員は1,500円となり、送料については600円が必要となります。興味のある方は、協会の事務局に直接申し込むことが推奨されています。
日本城郭協会の役割
日本城郭協会は昭和30年に設立され、城の研究や調査を通じた文化の普及を目指しています。毎年行われる『お城EXPO』や日本城郭検定など、多岐にわたる活動を展開し、城郭文化の振興に努めています。新たに創刊された研究紀要は、その活動の一環として位置付けられ、より多くの人々に城郭への関心を呼び起こすことが期待されています。
まとめ
日本城郭協会の新規事業である『日本城郭協会研究紀要』は、城郭を愛する多くの人々に向けた新たな情報提供の場となるでしょう。研究成果や調査結果を通じて、城郭の魅力を再発見し、自身の知識を深める貴重なチャンスが提供されます。お城EXPOを訪れる際は、是非一度手に取って、城郭の深い世界に触れてみてください。