ギリシア悲劇を大阪弁で楽しむ！『ヘカベ、海を渡る』開幕

清流劇場『ヘカベ、海を渡る』開幕

2024年10月、清流劇場が新たに挑む作品『ヘカベ、海を渡る』が大阪と東京で上演される。大阪では一心寺シアター倶楽、東京では上野ストアハウスが舞台となり、観客を魅了する予定だ。この作品は、ギリシアの悲劇詩人エウリピデスの著名な作品『ヘカベ』を基にしており、舞台は紀元前1200年のトロイア戦争後の世界という重厚な背景を持つ。

特徴ある上演スタイル

今回は、大阪弁を使用し、オリジナルの楽曲を取り入れた新鮮なアプローチが話題を呼んでいる。これにより、古典的な悲劇がより親しみやすく、かつユーモラスなものとして新たに生まれ変わる。また、台本と演出を手掛ける田中孝弥氏は、ギリシア悲劇が持つ「人間の本質」に迫り、観客にさまざまな感情を呼び覚まそうとしている。

戦争と復讐のテーマ

『ヘカベ、海を渡る』では、戦争によって翻弄される人々と、復讐の連鎖というテーマが描かれる。主人公のへカベは、加害者と被害者の二面性を持つ人物であり、その変化は現代にも通じるものだ。戦争によって失われたもの、そして生まれる怒りは、どの時代においても共通する問題であり、観客に深く考えさせる要素が多い。

上演日程とチケット情報

公演は以下の日程で行われる。

- 大阪公演: 2024年10月3日(木)〜10月6日(日)

- 会場: 一心寺シアター倶楽
- 開演時間やアフタートークの詳細もあり、観客が作品をより深く楽しめるよう工夫されている。

- 東京公演: 2024年10月11日(金)〜10月14日(月・祝)

- 会場: 上野ストアハウス
- 各回で異なるパネラーとのアフタートークも予定され、観客とのコミュニケーションが図られている。

チケットは、柳をふんだんに使った割引なども用意されており、観客層を広げる努力が見受けられる。前売り券は4,500円、当日券は4,800円。またU-22券やシニア券など、さまざまな割引制度が設けられている。

演出家の言葉

田中孝弥氏は、トロイア戦争直後の惨状を想像しながら、この作品に込めた思いを語っている。「人間の持つ強さと弱さ、善意と悪意の葛藤」を掘り下げることで、全ての人が共感できるメッセージを届けようとしている。人間の光と闇の世界を探求する作品を通じて、観客に生きる姿勢やヒントを提供することを目指している。

公式ホームページやSNSでの情報発信も活発に行われており、興味を持つ人々にとって、アクセスしやすい形でも展開されている。興味のある方は、ぜひ詳細をチェックし、観劇の準備を進めてほしい。