キヤノンITSとダイハツディーゼルがAI活用で発電機の故障予兆検知に挑む実証実験を開始

キヤノンITSとダイハツディーゼルの共同プロジェクト

キヤノンITソリューションズ（以下、キヤノンITS）は、ダイハツディーゼルと協力し、非常用発電機における故障予兆検知のための実証実験を開始しました。この取り組みは、自社の西東京データセンターでの安定稼働を確保するための重要なステップです。

背景と目的

キヤノンITSは、データセンターにおける設備の予防保全を常に図っていますが、設備の故障を完全にゼロにすることは非常に難しいという現実と向き合っています。設備の故障が発生すると、迅速な予備対応や人員の確保が求められ、運営上の大きな課題となります。故障の予兆を早期に検知できることで、計画的かつ効率的な対応が可能となり、データセンターの信頼性を大幅に向上させることが期待されています。

実証実験の内容

今回の実証実験では、正常な発電機から収集した振動データを基にしたAIモデルを構築しました。このモデルに、ダイハツディーゼルが提供する劣化が進んだ発電機の振動データを取り込ませ、評価を行うことが目的です。これにより、異常な発生を早期に認識する能力を持つAI技術の確立を目指しています。

進捗と今後の計画

実証実験の第一段階では、劣化の進んだ発電機からのデータが正常な発電機のデータとは異なると判断できる技術の確立に成功しました。現在、次のステップとして、評価データと劣化した発電機のデータを比較し、その差異を可視化する技術の開発に注力しています。これにより、発電機の劣化要因を特定し、劣化度合いを正確に判断できるような技術開発を進めていく計画です。

プロトタイプによる故障予兆検知の試験運用は2025年内に開始することを目指しており、この技術が確立すれば、非常用発電機のみならず、他の設備への応用も視野に入れています。データセンター全体の信頼性向上を図ることが最終的な目標です。

また、ダイハツディーゼルにとってもこのプロジェクトは、発電機の信頼性向上だけでなく、保守サービスの差別化にも寄与するものとなります。