臨床検査の新たな基準「JIS Q 15189」の概要
2026年3月25日、一般財団法人日本規格協会は、臨床検査室の品質と能力に関する新しい日本産業規格(JIS Q 15189)を発行しました。この規格は、国際標準であるISO 15189:2022を基にしており、日本国内の臨床検査の精度向上を目指しています。これにより、医療の質の向上に向けた一歩を踏み出しました。
JIS Q 15189制定の背景
2016年度の診療報酬改定に伴い、「国際標準検査管理加算」が新設され、ISO 15189に基づく認定を受ける臨床検査室が増加しています。しかし、これまでの対訳版は簡易的であり、規格の詳細な理解には限界がありました。このため、大学病院から小規模な医療機関までが質の高い検査を行うための基準が求められ、JISの制定が必要とされました。
主な規定項目
1. 組織構造とガバナンス
臨床検査室は法的責任や倫理性を体現し、患者の利益を優先する管理体制を構築することが求められます。
2. 資源管理
検査の質を確保するために、人材、施設、設備の管理が不可欠です。具体的には、スタッフの能力評価や適切な環境条件の維持、分析装置の保守点検が求められます。
3. プロセス管理
検査は、検査前の準備、実施、結果報告までの各段階で厳密な管理が求められます。特に、検体の適正な取り扱いや内部精度管理が重要です。
4. マネジメントシステム
不適合が発生した場合の原因究明やリスク管理、継続的改善の仕組みの整備が必要です。
5. POCTに関する要求事項
診察室や病棟で行われる患者の近くでの検査についても、品質基準が設けられています。
期待される効果
新たに制定されたJIS Q 15189は、正確な日本語訳を基盤としており、国際的な臨床検査室の品質マネジメントにおいて共通理解を促進します。これにより、国内の認定施設数が増加し、総体的な質の向上が期待されます。結果的に、医療の質が向上し、患者が受ける医療の質がさらに良くなることが目指されています。
日本規格協会(JSA)の役割
日本規格協会は1945年から標準化と管理技術の開発、普及に取り組んできました。JISの反映や国際規格の発行、マネジメントシステムの登録など多くの事業を展開し、我が国の標準化の推進に寄与しています。
このように、JIS Q 15189の制定は臨床検査業界にとって重要な進展であり、医療現場の質向上に大きく貢献することでしょう。