ポケット・クエリーズによる新しい施工システムの登場
株式会社ポケット・クエリーズが、佐藤工業株式会社及び古河ロックドリル株式会社との共同プロジェクトに参加し、山岳トンネル施工の省人化と自動化を目指した「ドリルジャンボ無線遠隔操作システム」を開発しました。この新システムは、近年注目を集めているヘッドマウントディスプレイ(HMD)技術を駆使しており、従来の運用方法を大きく変える可能性を秘めています。
新システムの特長
この新しい無線操作システムは、複数のカメラやディスプレイを使用することなく高い操作性を実現しています。具体的には、以下の三つの画像を合成して表示することで、操作の確実性を向上させています。
1.
切羽画像 - 180°の魚眼カメラからの映像を使用。
2.
詳細ズーム画像 - HMDを通して視点を変えることに連動した、詳細な視覚サポート。
3.
パススルー画像 - 操作ユニットでの視界をリアルタイムで再現。
さらに、HMDを通して現場の様子を直感的に把握できるため、まるで実際の操作室にいるかのようなリアルな体験を提供します。使用されるHMDは4K対応で、特許出願中の三画面合成技術を駆使して高解像度の視覚支援を行います。
実証試験の成果
新システムは段階的に実証試験を行い、いくつかの重要な成果を得ました。まず、有線による基本機能の検証を行い、次にHMDを使用した無線視覚支援を実現。最終的には、ジャンボの操作と視覚支援が無線化され、操作に約0.2秒の遅延で確実な成果が得られました。
これにより、従来の手動および自動掘削作業においても良好な結果を報告しています。操作性が向上したことで、オペレーターの負担が軽減されることは間違いありません。
ポケット・クエリーズの役割
ポケット・クエリーズは、HMDの開発と視覚支援における技術最適化を行いました。この革新によって、現場のオペレーターが直感的に操作できる環境を整えることに成功しています。また、この技術はトンネル工事にとどまらず、他の建設機械にも応用できる可能性があります。
今後の展望
今後は、このシステムを製品化し、さらなる実証を行いながら、HMDを利用した新しい操作支援技術を多くの工種や機械に展開していく計画です。ポケット・クエリーズは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、建設業界の効率性や安全性の向上を目指して活動していきます。
この取り組みが成功すれば、山岳トンネル施工の未来は確実に変わります。技術革新を通じて、新しい価値を提供できることを期待しています。