新しいED治療スタンダードの登場とそのエビデンス

ED治療の未来を切り開く新しい方法

大阪梅田紳士クリニックの平山尚院長は、2024年9月13日から15日に開催された第34回日本性機能学会学術総会において、勃起障害（ED）の新たな治療法である低強度体外衝撃波療法（Li-ESWT）の臨床データを発表しました。この研究では、従来の治療薬で効果が見られなかった患者の新しい選択肢としてのLi-ESWTの効果について詳しく検討されています。

低強度体外衝撃波療法（Li-ESWT）とは？

Li-ESWTは、EDの根本原因に立ち向かう非侵襲的な治療法です。この治療法では、衝撃波を利用し、陰茎内の組織に微細な刺激を与えることによって血流の改善を図り、血管新生を促進します。これにより、ED症状の長期改善が期待され、薬剤の使用に依存することなく、患者に自然な機能回復をもたらすことが可能です。

発表の概要と研究結果

本研究は、2022年1月から12月の間にLi-ESWT治療を受けた25名の患者を対象に行われました。治療を完遂したのは17名で、76.5%という高い有効率が確認されました。具体的には、IIEFスコアが治療前の10.4から治療後は15.1に改善し、平均改善値は4.7ポイント、統計的有意差も証明されました（p<0.001）。また、副作用の発生は確認されなかったため、安全性も実証されています。

Li-ESWTの効果

Li-ESWTは、EDの根本的な要因である血流障害にアプローチし、薬剤への依存をなくして、より多くの患者に安心して使用できる治療法として期待されています。特に、軽度から中等度のEDを抱える患者に有効との声が多く、患者自身が治療後の機能改善を実感しています。「PDE5阻害薬で効果が不十分でしたが、この治療でパートナーとの関係が改善された」との感想も寄せられています。

先進医療としての位置付け

この研究結果は、Li-ESWTの有効性と安全性を裏付けるものであり、今後のED治療の新しい基準を示すものといえるでしょう。さらに、海外で発表された大規模な研究結果とも一致することが確認され、当院の治療プロトコルの再現性が証明されました。

今後の展望

今後は、長期的な効果を確認するための追跡調査を行い、治療のプロトコルの最適化を進める予定です。治療密度や照射エネルギーの調整により、さらなる改善が望まれています。院長の平山氏は、「EDは非常にデリケートな疾患であり、多くの方が治療や相談を躊躇されています。ED患者がLi-ESWTを通じて生活の質を取り戻せると確信しています。この新しい治療法が多くの方にとって光明となることを願っています」と述べています。