デンソーが導入したAIメンタルヘルスケア「Mente for Biz」
日本の大手自動車部品メーカー、株式会社デンソーは、このたびAIメンタルヘルスケアサービス「Mente for Biz」を部分的に導入することを発表しました。このサービスは、株式会社Medi Faceが開発したもので、法人向けに提供されるクラウドサービスです。
導入の背景
最近の社会情勢を考慮すると、COVID-19の影響で働き方が大きく変化しており、それに伴い精神的なトラブルを抱える人々が増加しています。うつ病を含む精神疾患の患者は増加の一途をたどっており、このことが早期離職や転職を引き起こす要因となっているのです。
このような中、デンソーでは組織全体としてメンタルヘルスの改善に取り組む一環として、「Mente for Biz」を初めて導入することを決定しました。このサービスは、メンタル不調を早期に察知し、産業医や心理カウンセラーといった専門家が関与することで、社員一人ひとりがより働きやすい職場環境を整えることを目的としています。
サービスの内容
「Mente for Biz」の特徴は、AIによるメンタルチェックを活用している点です。ユーザーはPCやスマートフォンを通じて、AIドクターからの質問に対して応答することで、自身のメンタル状態やストレスの原因を確認できます。このプロセスでは、表情や声、話し方といった非言語情報も活用され、より正確な結果を提供することが可能です。
このAIチェックは24時間いつでも利用できるため、従業員は自分のタイミングで簡単に自分の心の状態を確認することができます。また、チェック結果は過去のデータとともに振り返ることができ、メンタルヘルスの状態を長期間モニタリングすることも可能です。
さらに、AIチェックの結果に基づき、専門家による1on1面談を行うことで、個々のメンタル状態に応じた適切なケアが受けられるトータルサポートを実現します。このような取り組みを通じて、デンソーは社員のメンタルヘルスに対する意識向上を図り、ストレス管理やメンタルサポートの重要性を社内で広めていくことを期待しています。
代表者のコメント
株式会社Medi Faceの代表取締役で医師の近澤徹氏は、「人的資本が重視される現代において、従業員の心の健康をしっかりケアすることが重要です。デンソーのような先進的な企業がこの取り組みを行うことで、他の企業にも良い影響を与えることができるでしょう」と語りました。
また、心理カウンセラーの久保千晶氏は、「AIメンタルチェックを利用することで、クオリティを損なうことなく心理相談を受けやすくなります。私たちは、社員一人ひとりが自分のメンタルヘルスに意識を持ち、必要なサポートを受ける手助けをしていきます」とコメントしています。
まとめ
デンソーの「Mente for Biz」導入は、多様な働き方が進む今、精神的な健康を重視する企業の取り組みとして注目されます。このサービスにより、メンタルヘルスの問題が早期に発見され、その後のケアが容易になることで、従業員がより安心して働ける環境が整うことでしょう。社会が変わりゆく中で、このようなイノベーションによって、企業全体の健康経営の向上が期待されているのです。