新たな物流の未来を切り開く「SkyHub®」とキヤノンの出資
近年、急速に進化する物流業界に新たな風が吹いています。ドローン技術の導入はその中で重要な役割を果たし、特に過疎地における物流の効率化が求められています。そんな中、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)がドローンと陸上輸送を融合した新たな物流インフラ「SkyHub®」を展開する株式会社エアロネクストに出資したことが発表され、注目を集めています。
企業背景と出資の目的
エアロネクストは、東京都を拠点としたスタートアップ企業で、2017年に設立されました。彼らは、「SkyHub®」という新スマート物流の概念を中心に、人口減少と過疎地への物流課題を解決するための取り組みを行っています。今回の出資はキヤノンMJが運営するコーポレートベンチャーキャピタル「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通して実施されました。キヤノンMJは、エアロネクストが持つドローン技術の特許や、物流業界での実績に魅力を感じ、資金調達に参画したとのことです。
「SkyHub®」の仕組み
「SkyHub®」は、ドローン輸送と陸上輸送を活用した共同配送のシステムです。この仕組みでは、まず荷物を「ドローンデポ®」という一時集積所に集め、次に次世代輸送配送管理システム「SkyHub® TMS」を使用して、最も効率的な配送方法を算定します。その後、算定された方法に基づき、ドローンあるいはトラックを使って各家庭に荷物を届けます。これにより、過疎地を含む地域においても迅速な物流を実現することができます。
地域社会への影響
日本では、高齢化や労働力不足が進んでおり、特に物流業界では「2024年問題」と呼ばれる深刻な課題が控えています。この問題は、トラックドライバーの時間外労働に関する新たな規制が施行されることによって、更なる労働力不足を引き起こすと言われています。そのため、エアロネクストは物流ドローンに関する独自技術「4D GRAVITY®」の特許も保有しており、これを他のドローンメーカーにライセンスすることで技術改良と普及を進めています。
今後の展望
エアロネクストの子会社である「NEXT DELIVERY」が地方自治体と連携し、「SkyHub®」の運営を行っているほか、物流効率化のための諸サービスを運送会社にも提供しています。これにより、過疎地と地域全体のラストワンマイル物流の課題解決が期待されています。
キヤノンMJとの提携によって、エアロネクストは一層の事業拡大を図ると共に、レジリエントな社会を支える物流インフラを実現させることを目指しています。
参考情報