建設業界の2025年度の業績動向
2025年度、主要上場建設会社50社の業績に関する調査が行われ、結果として売上高と売上総利益率の両方が前年度比で改善したことが明らかになりました。
売上高の改善
調査によると、50社の2025年度連結売上高は21兆4097億8200万円となり、前年度比5.0%の増加を記録しました。さらに、売上高の増加企業数は36社に達し、全体の72%に相当します。この背景には、都市部での再開発計画や官公庁からの発注が回復したことが挙げられます。
特に、「インフロニア・ホールディングス」が前年比で32.7%増と大きく伸び、続く「ナカノフドー建設」や「植木組」も高い増加率を示しました。その一方で、「佐藤渡辺」や「南海辰村建設」が減少傾向にあり、厳しい局面もあることが伺えます。
売上総利益率の向上
売上総利益率は、全体で平均13.5%となり、前年度から1.7ポイントの改善が見られました。これは、44社で売上総利益率が向上したことを意味し、特に「日本国土開発」が10.3ポイントの大幅な改善を見せています。
このような改善は、施工能力の制約から発注者がコスト増を受け入れざるを得ない状況が影響していると考えられます。施工を担える企業が限られていると同時に、大型工事の受注を選別する動きが顕著です。これにより、資材費や人件費の上昇分を請負金額に転嫁する試みが、全体の利益率を引き上げる結果につながっています。
受注環境の変化
また、単体の受注高が判明した企業においても、前年度比11.7%増の16兆1026億3700万円となりました。特に公共投資が堅調であり、都市部の再開発や物流施設、データセンターなどの大型設備投資が多く見られました。インバウンド需要の高まりも影響し、官公庁と民間発注が共に活発化しました。
受注環境を細分化すると、官公庁の受注高は前年比6.5%増に対し、民間工事も増えており、堅調な基盤を持っていることが窺えます。
今後の展望
今後、官公庁では防災・減災や国土強靱化対策が継続され、民間ではAI需要を背景とした設備投資やエネルギー関連プロジェクトが注目されるでしょう。ただし、人手不足は依然として深刻な問題であり、今後も持続可能な経営を維持するための施策が求められます。
建設業界は、新しい需要と人材難という相反する状況に直面しています。生産性の向上と経営基盤の強化は急務であり、各社がどのようにこの課題に取り組むかが、今後の業績に大きな影響を与えることでしょう。