岡山大学工学部が高校生の未来を考える
2025年10月3日、岡山大学の工学部は岡山学芸館高等学校で高校1年生とその保護者を対象にした進路選択説明会を開催しました。このイベントには300人以上の参加者が集まり、多くの生徒が自らの進路を真剣に考える機会となりました。
この説明会の目的は、文系・理系を選ぶ段階にある生徒たちに、理系学部の実際の学びを知ってもらい、より幅広い選択肢を提供することです。講演では、工学部の情報・電気・数理データサイエンス系情報工学コースの渡邉実教授が登壇し、まず岡山大学全体の紹介が行われました。
渡邉教授は、工学部での学びがいかにして「無形の資格」となり得るのかを詳しく説明しました。エンジニアという職業の希少性にも触れ、日本の就業人口の中でエンジニアが占める割合がわずか3.5%であることに言及。この職業の専門性が高い就職率や求人倍率に直接結びついていることを強調しました。
さらに、工学部が提供する5つの系の特徴についても詳しく説明しました。機械システム系、環境・社会基盤系、情報・電気・数理データサイエンス系、化学・生命系、そして情報工学先進コースのそれぞれが持つ独自の特長や学びのスタイルが紹介され、実例をもとに具体的な職業イメージが描かれました。
この講演の中では、少人数教育の利点、即ち教員1人に対して4〜5人の学生が指導を受ける体制が整っていることにも触れ、個別に対応が受けられる国立大学ならではの教育の質が強調されました。また大学院での短期修了制度や、研究活動を通じた自らの実力証明についても言及し、卒業後の高い就職可能性と相関性を説明しました。
加えて、渡邉教授はカリキュラムの特色として、3年生の2学期に必修科目が設けられていない点を挙げ、これにより6月からの海外留学が現実的に可能であることも述べました。国際的な視点を持つ教育機会の重要性も伝えられました。
講演の後、参加した生徒たちが興味を持って教授に質問を投げかける姿が多く見受けられました。特に「情報工学先進コース」に関して深い関心が寄せられ、生徒たちからは「興味を持った分野に進むために勉強を頑張ろうと思った」という声が聞かれました。これは提供した情報が彼らの進路選択において大きな刺激となった証と言えます。
この説明会を通じて岡山大学工学部は、生徒や保護者に自身の学びが未来の可能性を広げ、安定したキャリアを築くための重要な一歩であることをしっかりと伝えることができました。今後も岡山大学の取り組みには、多くの期待が寄せられていくことでしょう。
参考資料