月刊『宣伝会議』通巻1000号の特別企画
株式会社宣伝会議が発行する広告・マーケティング専門誌『宣伝会議』が、2024年12月27日付で通巻1000号を迎えました。この記念すべき号では、特集として「拡張を続けるマーケティングの現在地」というテーマを掲げ、変化するマーケティングの実態に迫ります。
マーケティングの変革
1954年の創刊以来、毎月発行を続けてきた『宣伝会議』は、広告業界の専門家の協力のもと、最新のマーケティング情報を提供してきました。1000号という節目を迎え、マーケティングの役割が売上拡大だけでなく、ステークホルダーとの関係性の構築にも拡張されている現状を反映しています。特集では、広告界を代表する実務家や識者の見解を収録し、彼らが考えるマーケティングの現在地に触れています。
巻頭特集の見どころ
特集の冒頭では、「拡張を続けるマーケティングと広告の現在地」が取り上げられ、顧客のために価値を創造するというマインドを組織全体で持つ必要性が論じられています。日本マーケティング協会の理事長で、早稲田大学教授の恩藏直人氏は、マーケティングの定義が34年ぶりに刷新されることを発表しました。
また、電通の並河進氏による「AI×マーケティング」についてのセッションでは、AIとクリエイティブの共創の重要性が強調されています。彼は、AIを活用した新しい知識を獲得することで変革が生まれると述べています。さらに、キャンペーンの炎上を防ぐためのDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)視点のアップデートも取り上げられ、社会とのつながりを重視するマーケティングが求められています。
単なる特集にとどまらない
特集は「Marketing is cosmos.」というコンセプトのもと、マーケティングが無限の可能性を持つことを示しています。H&Mやセブンイレブンといった具体的なケーススタディを通して、流行を取り入れつつ独自の価値を提供する力がマーケティングにとっていかに重要かを検証します。
トレンドへの適応と創造
法政大学教授の西川英彦氏は、流行に適応しながらも独自の顧客価値を生み出すことの重要性を説いています。さらに、味の素の岡本達也氏は、マーケターの役割についてオーケストラの指揮者になぞらえ、各機能を統合しながら顧客ニーズに応じたマーケティング戦略を実施することが求められていると述べています。
サステナビリティとマーケティング
特集内では、プランニングにおける予測技術の重要性や、AIがどう活用されるべきかについての議論もあり、特にブロックチェーン技術の未来についての洞察も得られます。データの民主化の重要性や、人間として顧客と向き合うことが強調されており、マーケティングが企業全体で取り組むべき「総力戦」となるよう求められています。
特別表紙デザイン
この記念号の表紙は、サン・アドのコピーライター・安藤隆氏とアートディレクター・白井陽平氏によってデザインされた特別なもので、長い歴史を持つ本雑誌の新たな出発点を表しています。
まとめ
月刊『宣伝会議』の1000号をきっかけに、私たちがマーケティングの新しい地平をどのように切り開いていくべきなのか、重要な示唆が与えられる特別な号となっています。広告業界のみならず、幅広い業界の方々にお勧めする内容です。明日を見据えたマーケティングの探求がここにあります。