休憩の質が労働生産性に与える影響を探る調査結果

休憩の質がもたらす影響

株式会社パーソル総合研究所が公開した「はたらく人の休憩に関する定量調査」の結果が、多忙なビジネス環境に生きる現代の労働者に必見の内容となっています。この調査は、従業員の健康や労働生産性が休憩の質に左右されることを明らかにし、働き方改革や健康経営の観点から重要な示唆を与えています。

調査の概要

本調査は、正規雇用就業者を対象に行われ、業務パフォーマンスに対する休憩の影響を検証することを目的としています。休憩前後の状態や実感を調査し、プレゼンティズム（心身の不調による生産性の低下）の発生割合に注目しました。興味深いのは、十分な休憩を取らない場合、プレゼンティズムが最大15%も高くなることが示されています。

休憩の実態とその影響

調査結果によると、職場で定められた休憩時間の取得状況について、最も多い取得時間は「46分〜60分（56.3%）」です。さらに、53.9%が職場の定めた休憩時間以外に“小休憩”を取得している68。その中で、休憩を一人で取る人は62.7%、誰かと一緒に取る人は37.3%という結果でした。この傾向は特に月曜日に強く、78.5%が45分以上の長い休憩を取得し、休憩後の業務への集中力も高まることが示されています。

一方で、18.7%の人々は「十分に休めていないと感じている」とのことで、職位別に見ても中間管理職が最も高い数値を示しました。このことから、職場文化が休憩の実感に影響を与えていることも伺えます。

休憩の過ごし方とその効果

休憩の過ごし方は6つのタイプに分類され、それぞれが異なる効果を持つことが明らかになりました。特に「自己投資タイプ」や「エンタメ没頭タイプ」では、休めている実感が高く、業務に対する集中力も維持されることが分かりました。そして、「交流タイプ」においてはプレゼンティズムが低く、効果的な業務遂行が期待できるという結果も得られています。

提案と今後の展望

この調査から導かれた提案として、職場文化の見直しや休憩空間の整備が挙げられています。業務効率を求めるあまり、休憩の質が軽視されがちですが、心身の健康を守り、ひいては業務パフォーマンスを向上させるためには、十分な休憩が不可欠です。また、週末にかけて休憩時間が短くなる傾向がみられるため、従業員が意識的に休息を取るスケジュールを組むことも大切です。

このように、労働者が心身ともに健康を保ち、生産性を向上させるためには、適切な休憩が必要です。今後もこの課題に対処するための取り組みが期待されています。