BBSS株式会社、早稲田大学とネット詐欺被害防止に関する共同研究を開始
BBSS株式会社は、AIとIT技術を活用して、人々と社会を守るという理念のもと、早稲田大学の森達哉教授とともにネット詐欺被害の防止を目的とした産学連携の共同研究を立ち上げました。これにより、両者の知見を結集して新たなアプローチを探求することを目指しています。
研究の背景
昨今、ネット詐欺は深刻な社会問題となっており、特にフィッシング詐欺が増加しています。多くの人々が普段利用しているサービスのブランドを名乗った詐欺行為が行われ、クレジットカード情報などの個人情報が狙われています。日本クレジット協会の発表によると、2024年にはクレジットカードの不正利用被害が過去最高の555億円に達する見込みで、その93%が「番号盗用」によるものであると言われています。
こうした問題を受けて、BBSSが提供するネット詐欺専用セキュリティソフト「みやブル」は、2006年の発売以降、進化を続けながら国内のデバイスを守る役割を担っています。2025年のデータによると、同ソフトは月間約1,007万件の危険なサイトを検知しており、年間のセキュリティデータは膨大な量に達します。そのため、このビッグデータの分析と活用がネット詐欺被害防止には不可欠です。
共同研究の具体的な内容
今回の共同研究では、BBSSが蓄積した1,200億件を超えるトランザクションデータと、早稲田大学の森達哉教授が持つAIを用いたビッグデータ分析技術を組み合わせ、新たな防止策を開発していく予定です。実データに基づく解析が可能となることで、フィッシングサイトの検知精度向上や罠にかからないための自衛策の啓発など、具体的な対策が期待されています。
森教授は、大学に所属しているため、データを扱う機会が限られている中で、実世界から得られるデータ解析の貴重な機会に感謝を示しています。彼の研究室では、情報セキュリティ分野での研究を行っており、特にフィッシング攻撃に関連する研究が進められています。今回の共同研究は、単に技術の進展だけでなく、社会全体への意識向上にもつながると強調しています。
今後の展望
BBSSはこの共同研究を中長期的に継続し、得られた成果を「みやブル」のユーザーだけでなく、社会全体と共有することを目指しています。そして、ネット詐欺に対抗するための啓発活動も行い、「ネット詐欺ゼロ社会」を実現するための基盤を築く予定です。具体的には、ネット詐欺総合情報サイト「ネット詐欺総研」上で、インターネット利用時の行動を振り返り、リスクをセルフチェックできるようなコンテンツを提供していく計画です。
研究の意義と期待
BBSS株式会社のプロダクト本部長である小津謙一氏は、これまで集められたビッグデータを活用することで、利用者へより効果的な防止策を届けることができると期待を寄せています。これにより、ネット詐欺の被害を未然に防止し、安心してインターネットを利用できる環境の整備が進んでいくでしょう。
早稲田大学 森教授のコメント
森教授は、これまでの研究で現実の現象をリアルタイムで理解しきれなかった課題があった中で、今回の共同研究を通じて観測データの解析ができることに喜びを表し、社会貢献に向けた成果への期待を示しました。
この共同研究により、ネット詐欺という社会問題に対する具体的な解決策が得られれば、我々の生活がより安全で安心なものになることでしょう。今後の進展に期待が高まります。