環境に優しい"紙おむつ"の新たな取り組み
近年、環境問題が注目される中、栗田工業株式会社と日本製紙クレシア株式会社が新たな共同プロジェクトに乗り出しました。今回の取り組みは、資源循環を促進させるために「環境に優しい」紙おむつの開発を目指すものです。両社は、栗田工業が開発した使用済み紙おむつの分別処理装置「クリタサムズシステム®」を用いた再資源化を行うことで、紙おむつの廃棄物削減を図ろうとしています。
背景と課題
日本国内での高齢化が進む中、使用済み紙おむつの廃棄物は増加の一途をたどっています。現在、多くの使用済み紙おむつが一般廃棄物として焼却処分されており、この状況は改善の余地があります。これに対して、排泄物、パルプ、高分子吸水材、プラスチック類といった様々な素材への分別や再資源化が求められています。
クリタサムズシステム®の概要
栗田工業が2023年11月に事業展開を開始した「クリタサムズシステム®」は、使用済み紙おむつを殺菌、洗浄、分解して、プラスチック類やパルプ類を含む処理水へ分別処理します。このプロセスにより、廃棄物の削減だけでなく、焼却処理時のエネルギー使用やCO2排出量の低減にも貢献することを目指しています。
共同開発の成果
栗田工業と日本製紙クレシアは、2022年から紙おむつの再資源化がしやすい設計に向けた検討を進めてきました。今後、使用感や機能性を保ちながら、分別されたプラスチック類やパルプ類がより容易に再資源化できる紙おむつ製品の開発に挑みます。
今後の展望
共同開発では、日本製紙クレシアが製中心となって試作品を製造し、栗田工業がそれらの製品を実際に「クリタサムズシステム®」で分別処理して、再資源化に適した紙おむつを確立します。さらに、加工プロセスの中での改良点の検討や、製品化後のCO2排出量の削減効果の確認なども進めていきます。
持続可能な社会への貢献
栗田工業と日本製紙クレシアは、共に「クリタサムズシステム®」を活用し、循環型経済社会や脱炭素社会の実現に寄与していく考えです。この新たな紙おむつの開発は、持続可能な未来のための一歩となることでしょう。今後の進展にも期待が寄せられます。