インフルエンサーPR依頼意向調査が示した新たなマーケティングの流れ
hotice株式会社は、全国の公務員や会社員、経営者、自営業者、フリーランスを対象に「インフルエンサーや代理店へのPR依頼に関する意識調査」を行い、その結果を発表しました。本調査では885名の回答をもとに、インフルエンサー施策に対する認知度や依頼意向、今後の展望が詳しく分析されています。
調査概要と目的
今回の調査は、2025年10月17日にインターネットを通じて実施され、主に企業担当者や個人事業主の意識を探求することを目的としています。インフルエンサーマーケティングは新たなプロモーション手法として広まりつつありますが、依頼理由や成果の評価などは必ずしも明瞭ではありませんでした。そのため、hoticeは全9項目を設定し、依頼意向や経験、評価基準を多角的に分析しました。
主な調査結果
調査結果によると、インフルエンサーや代理店に「依頼したい」と回答したのは57.9%に達し、かなりの人数がPR依頼に対して前向きであることが示されました。この結果は、インフルエンサーが単なる広告としてではなく、信頼できる情報源として認識されていることと関連しています。具体的に、SNSでの発信力の高さが理由として最も多く挙げられました。
依頼したい理由の分析
インフルエンサーや代理店へのPR依頼に対し、依頼理由で最も多いのは「SNSでの発信力が高い」というもので、約44.1%の回答がありました。続いて「発信内容に信頼性がある」という意見も25.0%で、広告費を抑えられることや自社ブランドとの親和性が高いという意見もあります。このことから、企業や個人は単に宣伝を求めているのではなく、より信頼性と情報の広がりを重視していることがわかります。特に、SNSでは、リアルな体験談がフォロワーに響きやすい傾向があるため、このような意見が多く寄せられているのでしょう。
一方で、依頼をしたくないと考える人もおり、費用面や効果の不透明さが懸念されているようです。約33.6%の人がコストを重視し、27.3%は効果を測定しにくいという理由で不安を感じています。
依頼の方法と選定基準
PR依頼の方法としては、49.6%が「直接依頼したい」と答え、40.4%が「代理店経由」を希望しています。この割合から、インフルエンサーとの距離感やコストの観点での選択が分かれています。特にフリーランスや小規模事業者は、柔軟性を重視し直接交渉を選ぶ傾向が見受けられます。逆に企業は、委託先のリスクなどを考慮し、代理店を利用するケースが多いようです。
選定基準については、「フォロワー数」が最も重視され(31.5%)、次に「エンゲージメント率」(23.1%)が続きます。このことから、ブランドは数だけでなく、フォロワーとの関係性やエンゲージメントにも注目し始めています。また、なかなか評価が難しい「発信の世界観」を重視する意見も多く、何が自社ブランドと相性がいいのかを考慮する姿勢が強く生まれています。
成果の指標と今後の展望
PR施策の成果としては、「話題化」が最も重視され(41.4%)、次いで「売上の増加」(26.6%)が挙げられました。この結果から、企業は売上以上に認知度や拡散効果を重要視する方向にシフトしています。情報がSNSを通じて拡散される時代、企業は話題性を高める施策に注力する必要性が生まれています。
実際、依頼経験者は個人で36.1%、企業担当者で27.5%にとどまるため、今後の市場拡大の可能性を示唆しています。この流れの中で、企業がインフルエンサーをパートナーとして位置づけ、共感を呼び起こすことが重要になるでしょう。今後のインフルエンサーマーケティングは、ただの広告ではなく、もっと意味のある対話を生む関係性へと進むと思われます。
まとめ
今回の調査結果は、インフルエンサー施策に対する期待と課題に対する意識を明らかにしました。特筆すべきは、57.9%の人が今後PR依頼を考えているという点です。このような関心が広がる中で、企業はインフルエンサーに投資する意義を再検討し、より効果的なマーケティング戦略を追求していくことが求められています。信頼できる人材とのパートナーシップを築くことが、今後の成功に大きく寄与する鍵となるでしょう。