見えてきた景気動向の全貌
2025年第1四半期の景気動向調査が発表され、業界の先行きについての重要なデータが示されました。この調査は、大阪府内の企業1,603社を対象に実施され、663社からの回答を得た結果を基にしています。
売上と収益の現状
調査によると、売上DI(景気動向指数)は-3.0ポイントと前回から5.5ポイント上昇したものの、依然としてマイナス圏に留まっています。また、収益DIについても-9.4ポイントと低迷しており、各業界において回復の兆しが見えづらい状況です。
業種別分析
具体的には、製造業が-11.3ポイント(前回比△3.7ポイント)と最も厳しい結果となっています。卸売業の-1.2ポイント、小売業の-6.2ポイントも苦戦を強いられており、飲食業やサービス業はそれぞれ5.0ポイントと7.1ポイントに留まるなど、各業種で明暗が分かれています。特に飲食業は前回比26.1ポイントの改善を見せていますが、全体的には年末商戦の反動も影響しているようです。
賃上げの期待感
それでも明るいニュースが見えてきました。約60%の企業が賃上げを実施する予定であり、特に従業員規模が10人以上の企業ではその割合が70%を超えます。ベースアップの金額では、5,000円以上の予定が38.8%に達し、企業側が人員流出を防ぐための措置を講じていることがうかがえます。
設備投資の意欲
設備投資に関するデータも興味深い結果を示しています。「実施中」と「予定あり」を合わせた総計は31.3%に達しました。このうち「予定あり」の割合は卸売業で10.4ポイント、製造業でも3.7ポイントの上昇を見せており、先行きへの回復期待が高まっています。
経営上の課題
一方、経営上の問題としては、「一般経費増大」が49.0%、「人手不足」が41.3%となり、深刻な経営課題として浮上しています。特にサービス業と飲食業ではこの「人手不足」が顕著で、深刻な人材不足に直面している状況です。利潤確保のためにも、賃上げや人員増強の施策が求められることでしょう。
まとめ
全体的には、賃上げや設備投資に期待を抱く一方で、経費や人手不足の問題が依然として企業の課題となっています。経済の緩やかな回復が見込まれるものの、その進行はスローペースであり、今後の動向に注目が集まります。このような中で、企業はどのように変化に対応し、持続可能な成長を目指すのかが鍵となってくるでしょう。